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剣の主
官能リレー小説 - ファンタジー系

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剣の主 305


そして件(くだん)の兵士…パサンが連れて来られた。
彼は騎士の証である剣を没収され、両手には手枷、片足に分銅付きの足枷をされてファフラビ達の前に引き立てられた。
「貴様が今回の元凶だな。所属部隊と姓名を名乗れ」
ファフラビに問われ、パサンはムスッとした顔で答える。
「…イスカンダリア市軍、フェラーハ・パサン…」
「パサンか…不服そうだな」
「当たり前だ!!」
パサンは怒鳴った。
「俺は暴行を受けていた女を助けようとしただけだ!!しかもヤツは短刀を出して来たが俺はあくまで素手で応じた!!終いにゃあヤツは勝手につまづいて倒れて短刀が胸に刺さって死にやがったんだ!!なのに何で俺がこんな罪人みたいな扱いを受けなきゃならねえんだよ!?」
「「「……」」」
ファフラビと側近達は顔を見合わせる。
「…何だか聞いていた話と少し違いますな…」
「左様、もしこの者の言が本当ならば更にこちらの正当性が増しますが…」
「いや、真実がどうあろうと関係無い」
ファフラビはキッパリと言い切った。
「こいつはヤヴズ・ザムに引き渡す。それは動かぬ」
「ケッ…情けねえ男だ」
パサンは吐き捨てるように言った。
側近達が殺気立つ。
「き…貴様ぁ!!いま何と言ったぁ!?」
「我らの将軍を侮辱すると許さんぞ!!?」
パサンは負けじと言い返す。
「何度だって言ってやらぁ!!お前ら全員揃いも揃って腰抜けだよ!!だいたいファフラビ将軍!!あんた王家直属の一軍を預かる司令官だろ!?それが何だよ!?ヤヴズ・ザムみてえな小物にペコペコしやがってよぉ!!あんなヤツ、ついこの間までアンタとはマトモに口を聞く事も許されねえ下っ端の小役人だったはずじゃねえか!!アンタにはプライドってもんが無えのかよ!?」
「お…お前なんかに何が解るっ!!!?何も背負う物の無いお前に…っ!!!私が一体どんな思いで…っ!!!!」
ファフラビは思わず叫びながら勢い良く立ち上がっていた。
腰掛けていた椅子がガタンッ!と大きな音を立てて倒れ、それで彼は正気に戻って、驚きのあまり唖然としている側近達に謝った。
「す…済まん…少し取り乱した…」
パサンは尚も続ける。
「取り乱したんじゃねえだろ!!今のがアンタの本当の気持ちじゃねえのか!!」
「黙れっ!!おい!誰かコイツに猿ぐつわを噛ませろ!」
「「ははっ!!」」
「むぐぐぅ〜っ!!?」
たちまち兵士達に取り押さえられ、口を塞がれてしまうパサン。
そのまま鉄格子付きの護送馬車に乗せられ、ヤヴズ・ザムの元へと連行されたのであった…。


ナスィーム城…かつて謁見の間として使用されていた大広間は今、並々ならぬ熱気と淫気に満ち満ちていた。
その源は広間の床を埋め尽くす何十という裸の男女。
皆、裸か、それに近い姿で互いに絡み合い、獣のように肉欲を貪っている。
男はヤヴズ・ザム軍の軍人達。
女はナスィーム太守と彼の臣下達の妻や娘達である。
城下から攫って来た女達もいる。
いずれも選りすぐった美女達だ。
彼女達には抵抗する様子は見られない。
既に幾度となく犯され、もう反抗する気力も失せている。
あるいはこの広間に立ち込めている煙…吸飲性のハシーシュ(麻薬)のために意識が混濁しているのだ。
ファフラビと数名の側近達、そしてパサンはこの室内に一歩足を踏み入れた時点で頭がクラクラし、即行で引き返したくなった。
「ぐふふふ…来たなぁ、ファフラビぃ…」
最上席…太守が座るべき椅子に40〜50と思しき中肉中背の男…ヤヴズ・ザムが腰掛けていた。
無精髭の伸びた貧相な顔立ち、生気の無い目、ヒョロヒョロとした貧弱な身体付き、しかし不摂生からか腹だけは出ている。
麻薬に酔っているらしく、口からは涎を垂らしていた。
およそ将軍はおろかマトモな騎士にすら見えない。
ザムの股間には二人の裸の美女が奉仕していた。
一人は妙齢の熟女、もう一人は年頃の少女、二人の股間からは膣内射精されたと思しき白濁液が溢れ出ている。
ファフラビはその二人に見覚えがあった。
亡きナスィーム太守の妻と娘である。
(な…何という事…!!敗れたとはいえ仮にも貴族の婦女子をこのように扱うとは…!!)
ファフラビの胸中を激しい憤りの念が渦巻いた。
もっとも当の母娘の瞳には既に理性の光は無く、ただただ夢中で男根に奉仕するのみであったが…。
(クズめ…っ!!)
(大執政の身内でなければ今すぐ斬り捨ててしまいたい!!)
(いくらお家大事とはいえ、こんな外道にかしずかねばならんとは…っ!!)
ファフラビの側近達も主君と同じ想いを抱いた。
そんな一同の胸の内を知ってか知らずか、ヤヴズ・ザムは男にしてはキンキンと耳に障る高い声で言う。
「…で、そいつなのかぁ?…ワシの兵を殺ったのは…」
「…は…はぁっ!左様で…ザム殿にお引き渡しいたします。煮るなり焼くなり、いかようにも…」
「ふぐぅーっ!!!むぐぐぅーっ!!!」
ザムの前に引き立てられたパサンは精一杯の抵抗を試みるが、為す術も無くファフラビの兵の手からザムの兵の手へと引き渡された。
「…ふむ、当然の措置だな。…で?まさかそれだけで終わりはあるまい?」
当然と言わんばかりの態度にファフラビ(と側近達)は一瞬ブチギレそうになる…が、すぐに理性をフル回転させて感情を押し殺した。
「も…勿論!…今回の慰謝料といたしまして、僅かながらご用意させていただきました…」
ファフラビがそう言いながら側近に目配せすると、一人が前に歩み出て金塊の積み上げられた供物台を差し出した。

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