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剣の主
官能リレー小説 - ファンタジー系

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剣の主 4

「ハァ…なんか事態がややこしい方向に進んでる気がする…」
夜、僕は自分の部屋でベッドに寝転がって星空を見ながら呟いた。
ちなみにアルトリアは別の部屋をあてがわれている。
夕食の席での祖父の勘違いのせいで、僕らは晴れて(?)家族公認の仲となった。
気の早い祖父は婚礼の日取りについて話し合い始め、僕が慌てて止めさせた程だ。
「ま、いっか…どうせ明日から学校に戻るんだし…」
「もちろん私もお供させていただきます」
「あぁ、やっぱ付いて来るのかぁ……って、うわあぁぁ〜〜っ!!?な…何で君がここに居るんだよぉ!?」
「…そのように驚かれるとは、心外です…」
少し悲しげな顔をするアルトリア。
「いや、普通驚くよ!いつの間に入って来たの!?せめてノックぐらいしようよ!」
「私はセイル様の剣です。常にお側にてお仕えするのは当然でございます」
「で…でも君、女の子でしょう?やっぱりマズいよ、色々…」
「はあ、確かに私は女ですが…その事がセイル様にお仕えするのに何か障りがあるのですか?」
アルトリアは真顔で僕に尋ねて来た。何の迷いも無いその瞳に僕の方が逆に恥ずかしくなってしまう。
「え…えぇと…それは…そのぉ……いや、ごめんなさい」
「なぜセイル様が謝るのです?」
どうやら彼女は色恋の話には疎いらしく、僕の言葉に心の底から不思議そうな表情を浮かべている。
「い・・・いや、その・・・」
この手の話は真正面から聞かれると答え辛い。
僕も余りこの手の話に成れていない為、正直彼女に上手く話す自信は無かった。
「ハァ…まあ良いや。もう寝る。僕は大丈夫だからさ、君は自分の部屋に戻りなよ。おやすみ…」
僕は溜め息混じりにそう言うとベッドに横たわって布団をかぶった。
「では私はここで…」
アルトリアはベッドの横の床にしゃがみ込む。
「え?もしかして、ここで座ったまま寝る気?」
「当然でございます」
「いや、女の子を一晩中床に座らせてたなんて、お爺様に知れたら半殺しの目に遭うよ。このベッド使って…」
「なんと!主と床(とこ)を共にさせていただけるとは…光栄の極みです!」
「いや、僕は椅子にでも座って寝るよ…ちょっとしんどいかもだけど…」
長椅子でもあれば良いんだが、あいにく僕の部屋にある家具類と言えばベッドと机と椅子のみだ。だが次の瞬間アルトリアは半ば叫ぶように言った。
「いけません!!」
「えぇ!?」
「僕(しもべ)たる私がベッドで寝て主が椅子だなどと…そんな事は絶対に許されません!」
「えぇ?すると必然的に…」
ベッドに二人で寝るという事になる。
「駄目だよ。君と一緒に寝たら、またお爺様がぶち切れるよ。お爺様は男女関係には厳格だから」
「・・・あの〜失礼ですが・・・もしかして、セイル様は童貞なのですか?」
僕はアルトリアに一緒に寝れない理由を説明する。
説明を聞きしばらく黙っていたアルトリアは僕をドン引きさせるとんでもない事を訊いてきた。


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