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剣の主
官能リレー小説 - ファンタジー系

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剣の主 192

「さてと、その前に生ゴミの処理をしておきますか!」
アルトリアは血まみれで全員達磨状態なゲムの兵士たちを炎の魔法を唱えて瞬時に焼き消す。
グッグゴオォォ!!!!グッグゴオォォ!!!!グッグゴオォォ!!!!グッグゴオォォ!!!!
「「「ギギャァァァァ!!!!!!」」」
焼き殺された兵士たちは悲痛な断末魔を上げ灰になると炎は瞬時に消えていった。
一瞬にしてゲムの兵士たちを焼き殺したアルトリアに彼等の抹殺許可を出したセイルは後悔する。
しかし、今回は自分のせいでアルトリアやミレルに迷惑を掛けたので、セイルは苛烈な処分を行ったアルトリアを咎めることができなかった。
「・・・・・・・・・(やっぱり、許可を出すんじゃなかった。でも、今回は僕のせいで皆に迷惑を掛けたから、何もいえない)」
「そっそれで、ゲムはどうするのですか?」
気絶したゲムを睨むミレルは彼をどうするのかアルトリアに訊ねる。
「本当は殺すべきですが、命は助けますかね。ジェムが厄介なので、尤も死んだ方がマシですかね〜」
「そうですか…アルトリアさんに任せます」
アルトリアに任せるとミレルは言うが、絶対に何か企んでるとセイルは薄々気づくが、発言権がないので黙ってるしかなかった。
「・・・・・・・・・(この顔は絶対に何か企んでるよ!)」

次の日、王都イルシャマディーナの中央広場でゲムが丸裸の状態で逆さづりにされ見世物になっていた。
「止めろぉぉぉ!!!見るなあぁぁぁ!!!誰かあぁぁぁ!!!助けてくれぇぇぇ!!!」
集まった人々が話し合う。
「ありゃあ一体何なんだ?」
「何かのプレイじゃないか?」
「世の中には常人には理解出来ない愛の型があるのね…」
「いや、あれはどう見てもリンチに遭った人だろう」
「なら助けてやろうぜ」
人々は吊るされたゲムを下ろしてやろうと近付いた。
気付いた男が声を上げた。
「…あぁっ!!こいつは…ヤヴズ・ゲム内相じゃないか!!」
「本当だ!!ヤヴズ・ゲムだ!」
「チクショウ!俺の弟は国家反逆罪で白衛隊に捕まって処刑されたんだ!」
「私の姉もよ!!」
「ヤヴズ・ジェムの権力を笠に着てやりたい放題しやがった腐れ外道だ!血祭りに上げろ!!」
人々はゲムに石や物を投げ始めた。
「ギャアァァッ!!!?も…申し訳ございませんでしたぁ!!どうかお許しを!!お許しをおぉぉ…!!?」

「…ん?あれは何だ?」
それを見つけたのはたまたま警邏中だったアブ・シルとアブラハムであった。
「お前達!そこで集まって何をしている!?」
「あ!兵隊だ!」
「逃げろ!」
民衆は蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
残されたのは体中から血を流し瀕死のゲム。
「人だ!!」
アブラハムが叫んだ。
「助けよう!」
そう言うとアブ・シルは短刀を抜いてゲムを吊していた綱を切った。
「ギャンッ!!?」
ゲムは顔面から地に落ちた。
「おっと…大丈夫か?それにしてもお前、何でこんなリンチされてるんだ?」
「バ…バカー!!もっと丁寧に助けろ!俺を誰だと思ってる!?」
「うるさい!お前なんか知るか!それが助けてもらった者に対する口の利き方か!」
イラッと来たアブ・シルはゲムを彼と気付かないまま殴りつけた。
「あいたっ!!き…貴様らは衛士隊だな!?官姓名を名乗れ!このヤヴズ・ゲム様を殴った事を後悔させてやる!」
その名を聞いた途端、アブラハムは見る間に青くなった。
「…あっ!先輩!良く見たら確かにこいつヤヴズ・ゲムですよ!内相の…!」
「…本当だ。やべ…」
アブ・シルは先日、禁を破ってアブ・キルを射殺した件をうやむやにしてもらったばかりだった。
ちなみにあの事件の顛末であるが、人質の少女は無事に保護され、アブ・キルは奇跡的に弾が急所を外れていたため即死を免れ三日間に渡って苦しみに苦しみ抜いた挙げ句の果てに死んだ。
撃ったのがアリーの特殊弾ではなく普通の弾だったら助かっていただろう。
「先輩、どうするんです?こう立て続けに問題ばかり起こしてたら、きっと上の人達も庇いきれませんよ?」
「ウ〜ム…東方スィーンの地に伝わる兵法書に曰わく…三十六計、逃げるが勝ちだ!」
「なるほど確かに!」
二人は脱兎の如く逃げ去った。
「あぁ!!?お…おい!!待てぇー!!俺を保護しろぉー!!せめて服をよこせぇー!!」

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