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剣の主
官能リレー小説 - ファンタジー系

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剣の主 189

人質を取っただけなのに既にセイルを倒した気でいるゲムは高笑いをする。
しかし、ミレルを強引に拉致した現場をある者に一部始終みられた事にゲムは全く気づいてなかった。
(あの方の予想通りだな。取り合えず報告だ)
男はそう呟くと現場を静かに去っていった。

その頃、ミレルが攫われた事に気づいてないセイルはというと。
既に自宅に戻り居間でアルトリアやナシートたちと寛いでいたが、ミレルが全然帰ってこないので少し気になっていた。
「遅いな…ミレル、何時もなら帰ってくる時間なのにどうしたんだろう。最近の王都は物騒だから事件に巻き込まれたんじゃないかな。やっぱり、アルトリアを護衛につけるべきだったかな」
それでなくても、最近の王都は非常に治安が悪くアルトリアを護衛にすべきだったと後悔するセイルにナシートとアルトリアは無事に戻ってくると励ます。
「ミレルは結構強いってセイルのお祖父さま言ってたよ」
「ええ、ミレル殿の護身術ならば並の悪党なんて怖くありません」
「そうだね。もう少しミレルを信じないと駄目だね…」
ミレルの実力を思い出すセイルは納得して安堵するのだが、同時にしっかりしたミレルと異なり慌てるだけの自分を恥じる。

クルアーン家の使用人イムラが不安な表情で居間に入って来た。
「坊ちゃま…お話中のところ申し訳ありません」
「イムラ、どうしたんだい?」
「実は先ほど、ゴロツキのような男が…屋敷の門前に現れて、坊ちゃまにこれを渡せと…言い出て行きました」
イムラはそう言うと一通の手紙を見せてセイルに差し出すと彼女は仕事に戻る。
取り合えずセイルは封を切手紙の内容をみて驚く。
「何だってぇ!!ミッミレルが!!ヤヴズ・ゲムに誘拐されたよ!」
「セッセイル、それ本当なの!」
「間違いないよ。手紙にはこう書いてあるよ」
セイルは手紙をアルトリアとナシートの二人にみせる。

『クルアーン・セイル。お前の端女を帰して欲しければ俺様の屋敷へ午後23時までに小生意気な女剣士と共に丸腰で来い。もしも、ヤヴズ・ジェム閣下に言いつけたり。近衛隊や衛士隊や人に話せば女は俺様の部下たちに輪姦しまくった後、殺す。byヤヴズ・ゲム』

「後、六時間しかないじゃない!そのヤヴズ・ゲムって酷い奴じゃない!ミレルちゃんを攫う何て!下衆よ!下衆よ!」
手紙の内容をセイルに教えてもらいナシートは烈火の如く怒る。
自分を邪険にするアルトリアと異なり優しく接してくれて何時も美味しいお菓子を作ってくれるミレルの事をナシートは密かに姉のように慕っていた。
そして、ナシートはミレルを助けに自分も同行するのをセイルに頼む。
「セイル、お願い。私もミレルちゃんを助けに協力するわ!」
「でも、ゲムは僕とアルトリアが来ないとミレルを輪姦して殺すと言ってるよ」
「私は小さいし、隠れるの上手いから大丈夫よ!」
「ありがとう。じゃあ、ナシートお願いね。アルトリア良いよね」
「ええ、こういう時、こいつの俊敏さと小ささは偵察等に使えますからね」
「任せて、きっと役に立って見せるからね!」
ナシートはドンと胸を叩き張り切る。


そして…
「ここだな」
…数十分後、セイル、アルトリア、ナシートの三人はヤヴズ・ゲムの屋敷の前に来ていた。
「行きましょう、セイル様」
「うん…おぉーい!!クルアーン・セイルが来たぞぉ!門を開けろぉ!」
そうセイルが叫ぶと、ギギギギ…と音を立てて巨大な両開きの門が開いた。
「お待ちしておりました、クルアーン・セイル殿」
中には白衛兵数人が待ち構えていた。
隊長らしいのが言う。
「ゲム様の元に案内いたします。付いて来られよ」
「「「……」」」
三人は白衛兵達と共に屋敷の奥へと向かった。

そこは広い部屋だった。
「良く怖じ気づかずに来たなぁ!クルアーン・セイルと女剣士!約束通り丸腰だな!?」
そこにはヤヴズ・ゲムと白衛兵が30人は居たが、セイルは毅然と言った。
「僕の侍女を返してください!」
「いいだろう」
「え…っ!?」
「…?」
あまりにもアッサリ承諾されたので思わず拍子抜けするセイルとアルトリア(ナシートは姿を隠している)。
「い…良いんですか?」
「ああ、ただしタダでは返さねえぞ。お前達が俺の言う通りにしたらな」
そら来た。ああ、そんな簡単に話が付く訳ないと思ってたさ…とセイルは思う。
「…解りました。何をすれば良いんです?」
「フッフッフ〜…」
セイルとアルトリアを交互に見てニヤニヤとイヤらしい笑いを浮かべるゲムに、二人は物凄く嫌な予感がした。

そして数分後…
「ヤヴズ・ゲム様、この度は誠に申し訳ございませんでした…」
「申し訳ございませんでした…」
セイルとアルトリアはゲムの前で土下座をさせられていた。
しかもセイルは下着姿、アルトリアは全裸という屈辱的な姿である。
それがゲムの要求だった。
「ギャーッハッハッハァッ!!!!もっと頭を床に擦り付けるように下げろぉ!!お前の可愛い侍女がどーなっても良いのかなぁ〜!?」
ゲムは笑いながら二人の頭をゲシゲシと踏みつける。
(クソッ!ミレルを人質に取られてさえいなければ…!)

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