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剣の主
官能リレー小説 - ファンタジー系

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剣の主 170

口の感覚まで麻痺して来たからだ。
一方、ジェムはセイルの下半身に手を伸ばし始める。
「セイル君…僕は寂しかった…そして怖かった…でも君はそんな僕の事を愛してくれる…君だけは僕の気持ちを解ってくれる…ハァ…ハァ…セイル君…僕を愛してくれ…この残酷な世界から僕を護ってくれ…僕には君しかいない…君しかいないんだよ…」
(嘘だっ!!だったらどうして騙して薬なんて飲ませた!?結局あんたのしてる事は力ずくで僕を犯そうとしてるだけじゃないか!本当に愛を…救いを求めてる人間のする事じゃないだろう!あんたは哀れな自分に酔いしれながら肉欲に溺れたいだけのナルシストだ!僕はそのための小道具に過ぎないんだろう!)

…セイルにしてみればジェムの言葉と行動は完全に矛盾していた。
ジェムは自己愛の塊のような人間であり、相手の人格など配慮しない…いや、彼の今までの行動から推察すれば、自分以外の人間が個別の人格を有しているという概念自体を有しているのかすら怪しい…とセイルは認識した。
今。

一方、ジェムはセイルのズボンと下着を下ろしてうつぶせに組み敷くと、自らも肉棒を取り出し、既に完全に勃起したソレをセイルの菊門に当てがい…。
「ハァ…ハァ…セイル君、僕達は今、一つに…」
(アッー!)

………

……



「そ…それで!?その後お二人は一体どうなったんですか!?」
ミレルは興奮して息を荒げながら尋ねた。
アルトリアが答える。
「セイル様があくまで抵抗されたものですから、ヤヴズ・ジェムも諦めました……そう言えれば良いのですが、宮廷はお伽話の世界ではありません。セイル様は何もお話になりませんが私は姿を隠して初めから終わりまで全てを見ていたのですよ…」
「…いや、助けろよっ!!!!」
うつぶせにベッドに横たわっているセイルが盛大に突っ込んだ。
ここはクルアーン家。
アルトリアが聖剣本体からある程度離れても行動可能であるという事をジェム達は知らなかったし、セイルも近ごろ忘れていたのであった…。

ジェムがセイルに執着する原因が解りアルトリアはミレルが淹れた茶をと焼いたクッキーを飲み食いしながらホッとする。
「当面ジェムはセイル様を殺さない事が解っただけでも儲け物でしたがね。懸念された事が解った後に飲む茶は美味しいです。特にミレル殿の淹れた茶は格別ですよ」
「アルトリアさんは沢山食べますから作り甲斐があります」
「本当にミレル殿は料理が上手ですね。食べる専門の私には料理が上手い方は尊敬しますよ」
自分を放って置いて和気藹々に話すアルトリアとミレルにセイルは愚痴を零すと不貞寝した。
(僕がひどい目に遭ったのにお前らは仲良く茶飲み話…もう勝手にしろ寝る)
「おやセイル様、不貞寝ですか…全く子供ですね」
「今日は坊ちゃまには色々とヘビーな出来事でしたからね」
不貞寝するセイルを微笑ましくアルトリアとミレルはそっとしておく。

ジェムの意外な一面に今でも驚くミレルにアルトリアはジェムの性質を話しながら、セイルの凄まじい間の悪さや運の悪さを振り返る。
「それにしても、ヤヴズ・ジェム様が坊ちゃまをそんな目で見ていたなんて予想外でしたわ」
「あの男は自己愛の塊ですからね。セイル様は玩具として目をつけられただけですがね。しかし、セイル様は付いてないというかトラブルが耐えませんね…」
「坊ちゃまの不運は馬鹿正直な所と愚直さもありますが、運に恵まれてないのは事実ですね」
「悪かったね…」
ベッドにうつぶせになったままボソッとつぶやくセイル。
「坊ちゃま!まだ起きてらしたんですか?」
「寝れない…。アルトリア、病院に連れて行ってくれないか…?」
「解りました。どうやらセイル様が心に負われた傷は意外と深いようですね…」
「あ!近ごろ王都で評判の精神科医がいるんですよ。アルトリアさんの魔法でパッとひとっ飛び…」
「違う!僕が行きたいのは精神科じゃない!肛門科だ!」
「あ…………失礼、そういう事でしたか…」
「そ…それでうつぶせに寝てたんですね…」

そんな話をしていると、一人の侍女が血相を変えて部屋に飛び込んで来た。
「セ…セイル坊ちゃまぁ〜!大変でございますぅ〜!」
「イムラ、どうしたんだい?そんなに慌てて…」
「だ…旦那様です!オルハン様が帰って来られたのです!生きておられたのです!」
「何だってぇ!!?す…すぐ行く!アルトリア!ミレル!肩を貸してくれ!」
「は…はい!坊ちゃま」
「解りました。しかしオルハン殿、今まで一体どこで何をしておられたのやら…?」

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