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剣の主
官能リレー小説 - ファンタジー系

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剣の主 145

「声が大きいですよ!ジェムたちに聞かれたら、どうするのですか!」
「ご…ごめん余りに唐突な話だったから…つい、思わず」
姉同然であるミレルが憶測かもしれないが、アフメト王の隠し子かもしれない事にセイルは動揺する。
しかし、ここでも冷静なアルトリアはミレルに渡す手鏡を取ると魔法で隠す。
セイルに持たせるとロクな事が起きないと判断したからである。
「ていっ! この手鏡は私が預かりますよ。セイル様だと無くすか、うっかり壊してしまうか、うっかり敵に盗まれる可能性がありますからね」
「それで良いよ。僕も、値打ち物の手鏡恐れ多くて持てないよ」
自分の不甲斐無さを知っているセイルはアルトリアに従うしかなかった。
「ミレル殿の一件は、ウマル殿から聞いた方がよろしいでしょう。ウマル殿なら、ミレル殿の事を詳しく事を知ってるはずです」
アルトリアはミレルに手鏡を渡すのはウマルに話してからどうかとセイルに進言する。
「うん、お祖父様はミレルの親代わりだから知ってるはずだよ」
「それでは、瞬間移動で帰りますよ」
瞬間移動で帰ろうというアルトリアにセイルはまったをかける。
アルシャッド王太子の事を置いて帰ろうとしたからである。
「おい、アルシャッド殿下を置いていくのかよ!ジェムが抹殺するんじゃないか」
アルトリアはアルシャッド王太子が大丈夫な理由を涼しい顔でセイルに話す。
逆にセイルの甘さなどを指摘し初める。
「彼ならば大丈夫です。ジェムも従弟のファード王子を王にするのが優先ですから、その状況で王太子殿を殺せば変な噂が立ちますからね」
「それはそうだけど。アルトリアは冷たすぎるんだよ・・・何でもドライに片付けるんだよ」
王太子が無事助かる理由を論理的に述べられ反論を塞がれたセイルは泣きそうな顔でアルトリアのやり方を冷たいと非難するが、アルトリアはそれだけですかとセイルの甘ちゃんぶりに呆れるだけであった。
「全くどうして、貴方という方は感傷的で甘ちゃんなんですかね。今ここで議論すべき場所じゃないですよ。早く逃げますよ」
そう言うと、アルトリアはセイルの手をつかみ瞬間移動魔法を発動させる。
「はっ離してよ!話はまだ、終わってないよ!アルトリア!」
「駄目です。もう少しクールになって下さい」
セイルは手を離そうとするが、アルトリアの腕力に勝てず瞬間移動してしまう。

ー王都内でセイルが借りている安宿のセイルたちの部屋ー

「きゃあぁぁっ!!?」
そこに出現したセイルとアルトリアが最初に耳にしたのはミレルの叫び声だった。
「ぼ…坊ちゃま!アルトリアさん!い…一体何なんですかぁ!?いきなり部屋の中に現れたりしてぇ…めちゃくちゃビックリしたじゃないですかぁ!ちゃんとノックして外から入って来てくださいよぉ!」
「も…申し訳…いや、ごめん。ミレル…」
「失礼、こちらにも色々と事情がありまして…して、ミレル殿は一体何をなさっておいでだったのですか?」
ミレルはベッドの上に居た。
彼女の服は乱れており、なぜかセイルの上着を抱えていた。
「な…何でもないですよ!」
顔を真っ赤にして否定するミレル。
「あの…ミレルさん…どうして半裸で僕の服を持ってベッドの上に?…てゆうかそれ確か洗濯に出そうと思ってたヤツ…」
「何でもないですよぉ!!」
「セイル様、あまり追及する物ではありませんよ。この場合、瞬間移動でいきなり室内に出現した我々に非があります」
「そ…それもそうだね…あ!てゆうかテメェ!瞬間移動なんて反則技使えるんだったら王太子殿下を国王陛下の所に直接連れて行ってやれば良かったじゃないか!」
「それが出来れば苦労はありませんよ。国王の寝室には外部から魔法を使って入れないよう魔法封じの呪印が施されていましたからね」
「そ…そうなんだ…」
「あの…話がサッパリ見えないのですが…」
「そうだ!ミレル、朗報があるよ。家が手に入ったんだ。もう宿屋暮らしはお終いだよ」
セイルはミレルにジェムから屋敷を貰った事を伝えた。

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