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剣の主
官能リレー小説 - ファンタジー系

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剣の主 13

たどたどしく説明するセイルにアルトリアは眉間にシワを寄せて溜め息混じりに言った。
「ハァ…ヘタレの極致ですね」
「ふぇ…?」
「おそれながら…我が主ながら何と情け無いお言葉!それでもあなた聖剣の勇者ですか!?そんな調子でこの世界を救えるとでもお思いですか!!?」
「は…はあ……世界を救う?」
「よぉ〜く分かりました。これは根本から鍛え直す必要がありそうですね……今日から一週間、試験の日まで地獄の特訓です!」
「じ…地獄!?」
「まずは基礎体力向上のためにウサギ飛びでこの広場十周!」
「じゅ…十周!?…てゆうか今から基礎体力って…試験は来週だよ!?…だいたいウサギ飛びって昔は流行ったけど今じゃ足腰を痛めるからって禁止されて…」
「つべこべ言わずにやりなさい!!」
アルトリアは木剣を振り下ろしてセイルに突き付けた。
「は…はいぃ!!」


「はあ〜〜〜〜アルトリアってお爺様よりも厳しいよな・・・」
セイルはその夜自分の部屋で全身の痛みに耐えながら、長い溜息を吐いた。
「とわいえ気が小さくてそれが剣を鈍らせてるか・・・自分でも分かってるんだけど・・・」
アルトリアの指摘は、祖父にも父にも教官にも昔から言われていた事でセイルにも解ってはいた。
だが、セイルは人と剣を打ち合う度に、どうしても剣で人を傷つけるという事に対しての気後れが出てしまうのだ。
「やっぱりお父様の言う通り僕は騎士には向いてないんだろうか?お父様の言う通り剣の道を捨てて武官では無く文官としてお国の為に働いた方が良いのかな・・・」
セイルは騎士学校の退学勧告と、剣の精霊とはいえ女であるアルトリアに一撃も加える事が出来なかった事に落ち込み、長年の夢だった騎士に成る夢を諦め掛けていた。

コンコン

「失礼します!」
そんな時セイルの部屋にアルトリアが訪ねてきた。
「?・・・こんな夜中にどうしたのアルトリア?」
セイルはアルトリアを部屋に迎え入れると、不思議に思い彼女に尋ねる。
「・・・セイル様!今からセイル様には度胸を付ける為に私の特別授業を受けて戴きます!!」
「特別授業?」
セイルが首を傾げていると、普段とは違う薄い服を着たアルトリアは、意を決したように、顔を真っ赤にしながら自らその服を脱ぎ捨てた。
「な!何を!」
「セイル様!今から私を抱いて下さい!!」
アルトリアの言葉にセイルは顔を真っ赤にする。
「な!何を言ってるんだ!速く服を着てくれ!!」
セイルは目を瞑りながらアルトリアにそう命じる。
「逃げるのですか!!このへタレ男!!」
「な!何だと!」
アルトリアはセイルを挑発する為、あえて挑発的な言動を取る。
「分かりました!どうやら私の見込み違いだったようですね!どうせ貴方のような腰抜けは、戦場で真っ先に逃げ出すに決まっています!なら今の内に剣を捨てた方が正解ですね!」
「こ!この女!!」
剣を捨てるという彼女の言葉に、セイルは先程までウジウジと考えていた事をズバリ指摘されたようで動揺する。
「悔しかったら今すぐ私を押し倒す位してみなさい!この負け犬が!」
「上等だ!」
アルトリアの挑発にセイルは遂に激昂し、怒りのままに彼女をベットへと押し倒した。
セイルは無理やりアルトリアの唇を奪うと、そのまま彼女の形の良い胸を力任せに揉みし抱く。
「ああ!せ、セイル様、痛いです」
アルトリアは普段のセイルからは想像出来ない程の強引さに面食らう。
「黙れ!お前は最初から僕にこうされたかったんだろう?望み通り犯してやるよ!!」
精神的に追い詰められた事により、セイルは有体に言えばキレていたのだ。
(畜生!畜生!皆で僕を馬鹿にして!!)
今のセイルは何時もの何所か自分に自信の持てないオドオドした少年では無く、目の前の女をズタズタに犯す事で崩れかけた自尊心を取り戻そうとする。一匹の狂獣だった。

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