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剣の主
官能リレー小説 - ファンタジー系

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剣の主 11

「おい、お前ら!!席に着け!!」
「ゲッ!!ダブウ先生」「席に着くぞ!!」
そして、まもなくセイルのクラスの担任教官のダブウが教室に入り生徒たちに席に着けと怒鳴り出す。
セイルやパサンやアリーやサーラ等、他の生徒たちは静かに席に着いた。
「ほっよかった…」
「何が良かっただと、クルアーン・セイル!!さっさと貴様も席に付け!!この落第生が!!」
「くすくすくすくす・・・」
教官のダブウの罵声に教室中から忍び笑いが漏れる。
「静かにせんか!貴様ら!」
教官の叫びと共に忍び笑いが止む。
イルシャ王国の騎士団では、卒業後に任官される最初の官職は、騎士学校の成績でかなり決まる。
もうすぐ卒業試験と卒業式が近づいている騎士学校では、当然殆どの生徒が些細な事で教官に悪印象を持たれないようにと、細心の注意を払っている。
普段からダブウは、出世街道から落ちこぼれて、騎士学校と言う閑職に回された憂さを生徒をいびる事で晴らしている為、生徒たちの間での評判はスコブル悪いが、この時期にあえて逆らい卒業後の大事な最初の任地を、日の当たらぬ辺境地区から始めるのは、実にバカバカしい事だろう。
セイルもまた薄っぺらい笑みを顔に貼り付け、自分の席に着く。
その後、授業は滞りなく進められ昼休みの時間。

「はあ〜どうしよ〜う〜もうお終いだよ…」
セイルは来週の再試験のせいで授業にイマイチ集中ができず食堂に行っても食欲がわかずため息ばかり付いていた。
「セイル様、ため息ばかりではいけません。ちゃんと食べないと元気出ませんよ」
「アルトリアよく食べるね…」
逆にセイルの剣を自称するアルトリアはパンや肉をモリモリと食べていた。
華奢なスタイルでありながらアルトリアの食欲旺盛さにセイルはびっくりする。
「では、私に憂鬱な理由を話してください。御力にな成れるかもしれませんよ!」
「…え?いやぁ、それはちょっとここでは…」
セイルは周囲を見回して口をつぐんだ。
何となく食堂に入った時から皆の視線を感じていたのだ。
いや、ここでだけではない。
朝からずっと感じていた。
原因はアルトリアだろう。
彼女いない暦=年齢のような女っ気ゼロの男子が、休み明けに絶世の美女を連れて来て“彼女はタダの召し使いだよ”と…これでは注目されない方がおかしい。
セイル自身も解ってはいるのだ…。
おまけにアルトリアは、騎士学校の生徒ではないため教室の中にまでは入って来ないが、それ以外はセイルの護衛とばかりにピッタリくっ付いて離れないのである。
噂の的にならない訳が無かった。
唯でさえ気弱で大人しいセイルは誰かに注目されるのは苦手である。
その上、来週の再試験の事でセイルの頭はショート寸前であった。
「セイル様、周囲の雑音は無視した方が良いですよ。それとさっきから憂鬱な顔してますが、困り事なら私に仰って下さい。私はあなたの剣なんですから」
「あっありがとう、アルトリア。じっ実は…」
アルトリアはセイルの悩み事に気づき相談に乗ろうとする。
しかし、周囲の雑音の元凶が自分にあると気づてはなかった。
セイルはその事を言いたかったが、今は来週の再試験が重要なので、再試験の一件を話した。

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