勇者君とお姉様たち 24
「そ…それじゃあ…その…うん…」
「あらあら?どうしたのかしら…勇者様?」
アリューはマユラの顔を見て赤く頬を染める…マユラの魅力…レイナの女戦士としてのワイルドな美しさとは違う、聖女と言うのに相応しい優しい眼差しと、知的な美貌、とでも言うべき雰囲気は、アリューを落ち着かせながらも、距離が近く姉のように感じられるレイナとは全く違う魅力に、どこか甘えたりおねだりすることすら恥じらわせていた。
「勇者様は可愛らしいのですね?…ふふ、何なら私にだけ甘えてくれても構いませんよ?アリューくん…オバサン…では、私の自尊心が傷つきますし…お姉さんでも、お姉さまでも…何なら、ママと呼んでくれても構いませんよ?」
「ま…ママだなんて、恥ずかしいですよ…まるで子供みたいで…それに、まるで母親離れ出来ていないみたいじゃないですかっ?」
「ふふ…普段は雄々しく、時には子供のように甘えてくる殿方は、それはそれで魅力的ですわよ?アリュー様…
いえ、私の可愛い…アリュー…たくさん甘えていいのですよ?私もレイナさんも…貴女のことが大好きで…可愛くて可愛くて、仕方ないのですから…あんっ…んんっ!」
アリューはマユラの甘やかすような優しい口調に危うく乗せられそうになるが、それではまるでやっと男として成長していない、勇者らしくない、そう考えてかぶりを振るも…思わず名前を呼ばれた瞬間に、背中をぞくりと振るわせる。
赤ん坊扱いのような宥められ方が、昨日の激しい性交や
、レイナに処女を捧げたこと…それらを思い出させ、記憶の中でミックスされてしまうかのような甘い言葉に、アリューは頬を赤らめ息を荒くし…萎えていた股間を膨らませ始めていた。
「あらあら…またですか?勇者様…こほん、悪い子ね?アリューは…でも、ママは嬉しいわ…流石にこの宿で不浄なことをするわけにはいきませんから、この国を出たら…レイナさんのように、私にしてくださって構いませんよ…?」
当然わずかな変化も逃さないとばかりに、アリューの首を真綿でギリギリと締め上げるように、優しい口調でマユラはささやきかけ、そのままパジャマごしにはだけられたアリューの胸元をなで回し始めた。
これではまるで真綿で締め上げられた貞操帯だ、アリューはそう考えながらも、しかしどこかで、自分をレイナとは別の形で愛してくれていることが解る、マユラに対する奇妙な感情を抱き始めていた。
これではまるで真綿で締め上げられた貞操帯だ、アリューはそう考えながらも、しかしどこかで、自分をレイナとは別の形で愛してくれていることが解る、マユラに対する奇妙な感情を抱き始めていた。
(マユラさんも同じこと、したいのかな…勿論レイナさんとしたのはイヤじゃなかったけど…いやいや、何を考えているんだ僕は!あんなに痛かったじゃないかっ!!)
そんなことを考えつつ、自らはマユラにも身体を差し出しなぶられたいのではないのか…そう考え、アリューは悶々としながら、マユラを見つめ…マユラはそんなアリューの感情には気づかずに、優しい視線を送りながらアリューの解放を…時にサディスティックな視線で見つめ舌なめずりをしながら見つめていた。
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明くる日、体力を回復させたアリューは北の国を旅立つ事にした。
北の国の王や教会の面々は早々とした旅立ちと、癒やしの聖女騎士たるマユラが旅に同行することを惜しんだが、アリュー達への路銀のバックアップなども忘れず、また盾を返しに立ち寄ってくれることを祈りながら、
アリュー達は華々しく見送られ旅立つことになった。
見送りに来てくれた王族達が見えなくなったところで、レイナは営業スマイルをやめ、いつもの女剣士モードに変わり、そのまま欠伸をしながらつぶやく。
「ふぅーっ…なかなか堅苦しい土地だったわねー、さあて…次はどこに行くんでしたっけ?聖女騎士様…それとも、マユラでいい?」
「構いませんわレイナ…私も呼び捨てにさせていただきますから、次は航路を使い西の国へ向かいます…西の国には勇者の鎧があると言われていますから…ただ」