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勇者君とお姉様たち
官能リレー小説 - ファンタジー系

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勇者君とお姉様たち 1

はるか昔、魔王が世界を闇に閉ざし、征服を企んでいた。

そこに現れた光の力を持つ勇者と、その仲間達。

彼らの活躍により魔王は倒れ、世界は闇から解放された。

勇者達はいずこへと身を隠し、そのまま世界は平和が続いていた。


しかし魔王の血統は絶えていなかった。闇の世界で育てられた魔王の嫡子が親の仇を取るため、再び世界侵略を試みはじめた…。

魔物や凶暴化した野生生物が徐々に現れ、人々の生活を脅かし始めてきたのである。


しかし勇者の血統も絶えていなかった。


彼の血を受け継ぐ一人の若者がとある村にいた。


アリュー・リカオル。

15歳になったばかりのこの少年。

まだまだ小柄な体格で成長途上。細身だが身体は日頃の剣の稽古の為か締まっている。ブロンドのサラサラな髪に碧い大きめな瞳が特徴の美少年系な風貌をしている。

村では若い女性が少ないせいか、婦人、老婆にも好かれ、もちろん男性達からも素直で純粋な性格な為か、悪く扱われることもなかった。



村で何一つ不自由なく暮らしていたアリューにお城からお呼びがかかった。

身支度を整えお城に向かうと国王の間に通された。


「お主じゃな。いにしえの勇者の血を引く者とは」

アリュー自身、自分の血のことは知っていた。国王の言葉に驚くこともなく

「はい、その通りであります」

やや緊張しつつ、透き通るような涼やかな声で返事した。

「ふむ…もう少し屈強な男を予想してたが…まあよい」

目の前の一見華奢に見える勇者を見て国王は怪訝な顔をした。

「そなたには魔王を討伐してもらいたい。知ってのとおりこの世界は今…」

魔王の侵略が始まってること、人民にも不安や動揺が広がってることを伝えた。
国王は兵士に話すと何やら一ふりの剣を差し出した。


「我が国に伝わる、伝説の勇者が残したと言われる剣じゃ。そなたがホントに勇者ならば鞘が抜けるはずじゃ」

アリューは渡された剣を見た。ビビッと掌に電気が走る感覚がした。スルスル…と鞘は呆気なく外れ、油が滴り落ちそうな鮮やかな刀身が見えた。

「ほう。やはり本物の勇者なようじゃ。今まで誰もその鞘を外した者はいなくての」

部屋にいた者達は感嘆の声をあげていた。


餞別などを貰い、国王の間をあとにしたアリューは、お城を出た。


一人では心もとないが城下にギルドや酒場などがあり、旅人で賑わってるという。

とりあえず次は姉妹国であり、伝説の盾が祭ってあるという北の国に向かえと教えられた。


その旅に同行してくれる仲間がいるのかどうか…


アリューは酒場に入った。昼間から飲んだくれるゴロツキ、オッサンが好奇の目を向けてくる。

「なんだあんちゃん?ジュースは置いてねえぞ」

酒で潰れた下品な笑い声を無視し、誰かいないか見回してみた。

「おい、どうしたボク?ここは大人が来るところだよ」

不意に後ろから声をかけられた。


白いマントに身を包んでいるが隙間から見える胸元から腰、膝には鎧のような金属が見える。アリューより背丈が大きく、赤毛のロングヘアを靡かせた女性だった。

腰には剣を穿いている。剣士、いや戦士といったところか。

(おゎ…なんだコイツ…かわいい顔してんじゃんか…)

振り返ったアリューを見て思わずドキッとしてしまった。

「あ…あたしはレイナ。傭兵をやってるんだ」

アリューが聞いてもないのにレイナは自分を名乗った。


「…で、なんであんたみたいなヒヨッ子がこんなとこにいるんだい?」

動揺を抑えつつ話しかけた。

「僕はアリューと言います。実は北の国に向かうところなんですが、旅の仲間をここで捜そうと思いまして」

純粋そうな瞳で見つめながら話すアリューにレイナは釘付けになってしまった。

レイナは20歳。90-70-85のナイスバディなのだが、身長が高いこと、腕っぷしが強いことをコンプレックスに感じていた。それを払拭し逆に利用するため傭兵稼業を始めてたわけだが…。

行商や貴族、役人のお供をこなしたことはあり経験は積んでいる。しかしいずれも中年過ぎの男性であり、下心を見せる者、セクハラをする者もいて毎日ウンザリしていた。それでも金持ち相手だと稼げるし生活の為に我慢をしてきた。


今日も良い仕事がないか酒場に顔を出していた。そこで思わぬ「ヒヨッ子」を見つけたのである。


今までの中年とは違う。まだ少年だが容貌は整っており、スケベ心もなさそうだ。

「よ、よしそれならあたしを雇わないか?もちろん安くしとくよ?」

レイナは笑顔を浮かべて語りかけた。


「そうですか…でもお金はあんまり…」

レイナ自身、若い男性、しかも年下の男の子と供に旅をしたことはほぼ皆無だった。

レイナは年下好きである。特に純粋そうな男子は大好物と言っていい。いつかは男の子を…と良からぬ妄想をしつつ、いつも中年や老人の「お守り」ばかりこなしてきた。つまり千載一遇な今回のチャンスを逃すわけには行かないのだ。


「だ、大丈夫!後払いでも構わないし、アリューの言い値で良いから」

普段は金持ち相手に嫌々こなす為、高額を吹っ掛けるレイナだが、初めて下手(したて)に出て交渉している。


「うーん…じゃあレイナさん、よろしくお願いします」

アリューはぺこりと頭を下げた。その仕種がまた初々しい。

レイナはほんのり顔を赤らめ、心の中でガッツポーズをした。

他にレイナに下心がありそうな中年男性もアリューに傭兵に…と声をかけたがレイナが物凄い形相で睨みつけ…何も言えず葡萄酒を飲み干した。


城下街を歩きながら必要なアイテムを揃える。

「まず薬草だな。あとは毒消し、眠り治し、日持ちのする食べ物…」

傭兵稼業が板についてるレイナはテキパキと必要な道具を揃える。

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