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勇者君とお姉様たち
官能リレー小説 - ファンタジー系

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勇者君とお姉様たち 34

「ふふ、そりゃそうさ…それが勇者と魔王の関係だからね、ただ…勇者の坊やもたまに考えて欲しいんだ…戦い続けて先代の勇者が魔王を倒した結果、魔界はそれどころじゃなくなって人間たちに被害を加えられる余裕もなくなったのは事実だけど…永久にこのまま、お互いが戦いあう世界でいいのか…そして、人間に友好的なやつら…例えば精霊やエルフ族、あいつらはどうなる
んだ、ってね…」

アリューはそのメッツァの一言に対して悩んでいた、それはまあ無理もない、人間とかつての魔王が戦ってから数百年…寿命の短い人間達の中では戦いの記憶は薄れていたし、アリュー自体、住む小さな村に残る伝承をおとぎ話として聞かされていたような状況だったし、メッツァの言うような精霊族や妖魔族など、人間界に土着するような魔物も普段はあまり見ない環境で育ってきた分、初めてメッツァという存在から聞かされる話と、そしてベイカーの存在はアリューにとってはとても貴重な体験だったと言って差し支えはないだろう。


「僕は…魔王を倒す勇者の一族の使命は理解しているつもりです、でも…それは魔王に対する人間の抵抗手段であって、むやみに魔族全体を虐殺するつもりはありませんし…むしろ魔王に興味が湧いてきましたよ、無闇に戦わなくていいならそれに越したことはありませんからね」

「ふふ…それが坊やの答えかい?なかなか面白い子だねぇ…なら、ヒントをあげようか?」

「ヒントを…ですか?」

「先代の勇者の仲間には人間じゃないエルフの魔法使いがいたんだ、今は隠居してるが…そいつに合わせてあげようか?あいつは鎧を持ってる、勇者の聖なる鎧をね…」

勇者の鎧…その話が本当ならばアリューにとってはまたとないチャンスなのは間違いない。
「アーネラーデの大森林……聞いたことはあるだろう?その奥にあいつの暮らす村がある……そこに行けばいいのさ」
「アーネラーデ大森林……あの巨大な森林地帯の奥ですか」

アーネラーデ大森林…この大陸でも最大の森林地帯にして、奥地にはエルフたちがあちこちに集落を持ち、氏族ごとに集まって暮らしているというが、人間が奥地に行くのは、遭難しに行くに等しいと言われている…そのような場所にいるというのだ。

「そうさ。丁度良い事に、坊やはすでに盾を手に入れている……それが何よりの身分証になるはずさね」


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