勇者君とお姉様たち 3
アリューは一人、自らのをしごいていた。
村にいた時、近い世代の男から教えて貰ったことがある。というより、みんなで集まってた時、話がスケベな方に進んでしまい、
「エロいこと考えて自分のチンポこするとスゲー気持ちいいぜ」
みたいなことを誰かが言った。場はエロ話で盛り上がったがアリューは恥ずかしくなり、輪に参加せずしばらくして帰宅してしまった。
それから何回か試しに自慰をしたことはある。しかし対象になる女性もおらず、射精はしてもあまり充実感には浸れなかった。
しかし今は無性に自慰がしたくなった。自らの性器がギンギンに勃起しどうにも収まらないからだ。これを収めるのも自慰がいい、とその場で聞いていた。
「は…は…」
息を殺しこっそり自らのを扱く。しかしここで発射するわけにはいかない。
レイナの様子を伺いつつ、勃起したペニスを握りしめトイレへ向かった。
その様子をしっかりレイナは見ていた。
(やっぱり男の子ね…ちょっと刺激が強すぎたかな)
(でも…)
月明かりが差し込みほの暗い室内にアリューのシルエットははっきり浮かんでいた。
(アリュー君のちんちん…凄く大きかったな…)
初めて顔を合わせた酒場での愛くるしい笑顔と不釣り合いに大きくいきり立つように見えたペニス。
今、彼がそれをしごいてトイレで射精しようとしてると思うと高揚し、嬉しくもなった。
(いつか…そう遠くない日にアリュー君の童貞を…ふふふ)
その日を妄想するだけで嬉しくなった。辛く苦しい傭兵稼業を続けててよかった…と心底思った。
トイレから出てきたアリューを布団の中から覗いた。
何やら表情に落ち着きが戻ったように感じられる。ペニスもだらんとしたのかシルエットがわからない。
いそいそとパンツとズボンをはいて布団に潜り込んでいくのを確認すると、レイナも眠りについた。
夢の中では既にアリューの上にまたがり腰を振る自分がいた……。
「ふぅっ・・・やっと森を抜けましたね・・・」
勇者の末裔であるアリュー少年が凄腕の女戦士であるレイナと旅に出て三日目。
二人はようやく最初の難関である『始まりの森』を抜けた。
「ええ、ここを抜ければ、ライオットの町まで今日中に付くわ。疲れも溜まってるし、今日は早めに休みましょう」
「はい、レイナさん」
出会ってからまだ少ししか経っていないが、アリューはすっかりレイナを信頼し切っていた。
女性ながら剣の腕が立ち、頭の回転も速く、サバイバル技術にも長けており、その腕前は狩人も顔負けだ。
森の魔物との戦いでも何度も助けられており、正直アリュー一人では、森を抜ける事さえ出来なかっただろう。
(ホント、レイナさんみたいな頼りに成る人と仲間に成れるなんて運が良かった)
アリューは心からそう思う。
「ライオットの町の宿屋は確かお風呂が有ったと思うから、今日はお風呂に入ってゆっくり旅の疲れを癒すのよ」
「はい、レイナさん」
思えば故郷の町を出てから今日まで濡れたタオルで身体を拭くだけで風呂に入っていない。
(旅の途中じゃしょうがないとはいえ、やっぱり女性と旅してるんだから、出きるだけ清潔にしなきゃな)
それまで気にならなかった汗の匂いや、泥の汚れが気に成り出す。
「じゃあ、どっちが先に着くか競争です」
そう言うとアリューはライオットの町へ向けて足早に駆け出した。
三日ぶりの熱いお湯はアリューの身体の疲れを洗い流してくれるかのようだった。
「は〜・・・生き返るぅ・・・」
ライオットの町の宿屋は今日はアリューたち二人しか客が居ないとの事で、事実上貸切状態だ。
お陰でアリュー誰の眼も気にする事無く、思切り羽を伸ばす事が出来た。
まだ15歳になったばかりの少年らしく、風呂で歌を歌ってみたり、じゃばじゃばと露天風呂の中を行ったり来たりしてみたり、しまいには、ぶくぶくと頭まで湯船に浸かってどれだけ長く息を止められるか数えてみる始末。
お陰ですっかり長湯してしまった。
ガラーッ
「アリューったら男の子なのにお風呂長いのね」
「えっ?レッ!レイナさん!何で!?」
風呂の扉が開く音がしたので、驚いてアリューが振り返ると、そこには全裸にタオルを巻いただけのレイナが立っていた。