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魔剣と聖剣と妖刀
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔剣と聖剣と妖刀 9


しかし、
「?」
何時まで経っても来るはずの痛みがこない事に、不思議に思ったサージュは意をけして目を開く。
「ふん、邪魔してくれたな」
「ほほほ、たがが倅の分際でよく吼えるのぉ」
「学園長、いきなり飛び出さないでください。こっちがびっくりします」
そこには、彼に背を向けザネルの凶刃からサージュを守るように防ぐオットー・フォン・オーギュストとエリーナ・シュトラーの二人であった。
彼らの手には、先ほどまで使っていた剣と同じ物が握られている。
「大丈夫かのお主?」
「え?あ、はい」
「なら、後は私たちに任せなさい。あなた達はよくやった。此処からは、私たち大人の領分です」
彼に顔向け、優しい笑みを浮かべながら言う二人にとうとう彼の意識は黒く塗りつぶされた。

「さて・・・・覚悟はいいか?三下」
「ええ、此処をこんなにもしてくれたのです。殺される覚悟は十分ですか?」
「はっ!そんな覚悟、してる訳ねぇだろ!!オラッ!あばよ!」
殺気を全開にして、彼に睨みをきかせる二人にザネルは魔剣の能力だろうか、自身の周りに炎を起こし、逃げていった。

ソコは真っ暗な深海であった。
一切の光は存在せず。ただただ暗く重い闇が支配する世界。
そんな闇の世界に彼は、さながら海に漂う漂流物の如く、上下左右分からず漂う様に存在していた。
『・・・た』
『よ・・・と・き・た』
(え?)
突如、彼の頭の中に優しく響く一つの声。
全てを祝福する女神の様なその声は彼を無視する様に独り詠う。
『よ・・く・・と・・・きた』
(おい!お前は一体何なんだよ!!?)
その声を最後に彼意識を白くした。
「っ!!」
「あっ!! サージュ!良かったぁ・・・目が覚めて」
「アメリア? 此処は・・・・・・・保健室?」
最初に目に入ったのは、こちらを心配そうに見下ろすアメリアであった。
美しいサファイアの様な瞳には涙を浮かべている。
一体何がなんだか分からないサージュであったが、時間が経つにつれ徐々に冷静さを取り戻しベットに寝かされていた自身の体をゆっくりと起き上がらせる。
窓からは、元気な生徒たちの声が聞こえてくる。
「アメリア、あれから一体どうなった?グレイグは大丈夫なのか?ザネルの野郎は!「はい、其処まで!」!?」
「安心して、グレイグは体を強く打っただけで何とも無いわ。あなたが気を失った後、学園長と一緒にいた女の人がザネルと戦おうとしたけど。彼、いきなり炎をだしたら食堂の天井を壊して逃げて行ったわ」
食って掛かるようにアメリアに問うサージュ。
そんな彼を一言で黙らせたアメリアは、近くにあったイスに腰掛けながらあれからの出来事を彼に語って聞かせた。
「そうか・・・グレイグは無事か。 よかった・・・」
彼女の言った事に安堵の息をはきながらベットへと体を沈ませるサージュ。
そんな彼を優しい笑みを浮かべながらアメリアは見下ろしている。
「・・・」
「・・・」
ーーカチ、コチ、カチ、コチ・・・
部屋に置いてある時計の奏でる音だけが、保険医が居ない保健室を支配している。
二人も、何も言わずただ黙っているだけだ。

ーガチャッ。
「邪魔するぞい。おぉ、もう目が覚めたか」
「失礼します」
そんな沈黙はドアが開く音と其処から出てきた人物たちの声により終わりを告げた。
「「学園長!?」にエリーナ・シュトルフェラーさん!!?」
二人の声が一部重なり、最後の彼女の名前だけはアメリアが素っ頓狂な声で上げる。
「エリーナ?・・・誰?」
「あんた知らないの!!?この王国の騎士団、「ソード・オブ・ブレイド」の第七騎士団団長よ!?」
「はぁ!?」
アメリアが興奮気味な説明にサージュは開いた口が塞がらなかった。
「ソード・オブ・ブレイド」、それは王国に住み騎士を目指さんとする者たちにとって憧れであり目標でもある。
15人の騎士団長の実力は一騎当千。故にソレに従う兵の数も少なくて数百、多くても千人いくかどうかと言うまさに最強の中の最強の組織。
そんな組織の一員になろうと毎年多くの新米騎士や熟練騎士などが集まるが、そのほとんどが「不合格」となる。
理由はさだかでは無いが相当キツイ内容なのは明らかだろう。
そんな狭き門を潜り、尚且つ女性で騎士団のしかもソード・オブ・ブレイドの第七騎士団団長ともなれば驚かずにはいられない。
「し、失礼いたしました!自分は「いや、硬くならなくてもいい」し、しかし「私が良いと言っているんだ。何時もの通りで構わんよ」それなら・・・なんで校長と此処に?」

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