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魔剣と聖剣と妖刀
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔剣と聖剣と妖刀 7

「面白そうって…あなたという人は、相変わらず変わりませんね…」
「ほほほ…変わってたまるかね。さて、あやつらは果たしてこの事態を解決出来るかのう…?」
オーギュストは実にウキウキした表情でザネルと、そして彼と対峙している二人の生徒の方を見た。

「ど…どうしよう…」
アメリアはこの事態の責任を感じていた。
(ザネルが変になったのはきっと昨日私がフったからだわ…怒りと嫉妬でおかしくなっちゃったんだわ)
「アメリア!何ボーっとしてんのよ!?」
「そうだよ!早く逃げようよ〜!」
エーディットとグレーテがアメリアの手を引っ張って食堂から逃げようとする。
「ごめん!二人とも先に行ってて!私、サージュとグレイグが心配だから残るわ!」
「そ…そんな…」
「そんな事言われても友達置いてける訳無いじゃん…」
既に生徒達の半数は食堂から逃走していた。残っているのは腕に自信のある者、命知らずの野次馬、あとは当事者だ。

「ククク…殺してやる…この世に生まれてきた事を後悔するぐらいの苦痛を味あわせて殺してやるぅ…」
「…て言ってるけど、どうするグレイグ?ちなみに俺は面倒な事には巻き込まれたくないんで今すぐ逃げたいんだけど…」
「バカ!アイツの狙いは俺達だ。逃げ回ったら他の生徒達を巻き込む恐れがある。俺達の手で倒そう!」
「やっぱそうなるかぁ…」
サージュはポリポリと頭を掻いた。
「お前たち、これを使うが良い!」
「受け取りなさい!」
ふと外野の方から声がしたので振り向くと、学園長とエリーナが二人に自分の剣を放ってよこした。二人はそれをキャッチし、鞘から抜いてザネルに向かって構えた。

グレイグは騎士らしく剣を正眼の構え。その姿勢はシャンとしていて、期待がかけられている事が見て取れる構えだ。
だが逆にサージュの構えは何と剣を片手で持ったまま、ダランと垂らしたまま構えらしい構えを取っていないのである。
「ほぉ・・・」「あれは・・・」
それを見た学園長は驚きと楽しさをエリーナは落胆と呆れが交じり合った口調で呟く。それもそうだろう、仮にも騎士を目指しこの学校に入校した者があんな初心者丸出しの姿勢を見せているのだ。それは彼女だけではないらしく、野次馬の中ではサージュを見て笑う者や軽蔑すような視線で見ている者が多々いる事をエリーナは辺りを見て気がついた。
「サージュ・・・あんたって奴は・・・」
一方、グレイグとサージュ(特にサージュ?)を心配して残ったアメリアは顔に手を当て、下を向いて唸っている。
「ククク・・・落ちこぼれ、俺はもう昨日の俺だと思うなよ?今俺には魔剣がある・・・貴様の様なゴミの存在は今ここで切り殺してやるよぉぉぉっ!!!」
「・・・」
まるで獣の咆哮のように声を上げるザネルにサージュは無言で立ち続けていた。
その構え(?)とは裏腹に彼の目は獲物を見つけた猛禽類のソレである。
食堂全体に刃物の様な鋭く重い空気が充満する。
『・・・』
誰もがこの空気の中心である彼らを固唾を飲んで見つめていた。あれからどれ程の時間が経過したのか、そう誰もが思っていた瞬間・・・。
「行くぞぉぉぉッッ!!!」
「ッ!」
「ふッ!」
ーーダンッ!!
三人が弾かれるの様に一斉に動き出す。まずザネルが目をつけたのはサージュ・レオンハルトであった。昨夜、彼にズタボロに負けた事がサージュをまず最初のターゲットにした一番の理由だろう。

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