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魔剣と聖剣と妖刀
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔剣と聖剣と妖刀 5

そしてふと空を見上げるとそこには真っ赤に染まった満月が大地を照らしている。そんな月を見てアメリアはただただ親友2人、特にサージュの無事を祈らずにはいられなかった。

「さってと、ベットが俺をm「おい、落ちこぼれ」・・・ザネル・・・」
男子寮の二階の一角が彼ことサージュの部屋である。彼は明日に向け寝ようと部屋のドアノブに手を掛けようとした瞬間、彼の横にザネルがいた。
「なんn「今すぐ外に出ろ・・・。俺が貴様に直々に鍛えてやる」・・・おいおい・・・」
のようだ。と聞こうとしたサージュだったが、まるで呪詛をはくような口調で一方的に言うと、そのまま寮の出入り口へと向かっていった。
一人残されたサージュ、無視しようかと一瞬思ったが明日になって何言われるか分からないので、ため息を吐きながら彼も出入り口へと重い足を向ける。

彼ことザネル・フォン・グランヴィアはとてつもなく苛立っていた。理由は先ほどアメリア・フューラーにフラれたからだ。自分には容姿も位も実力も金も全て備わっているのに、そんな自分をあの女はフッた。
彼はマグマのようなドス黒い感情を目の前の男で晴らそうと決めた。

半刻後…
カランカラ〜ン
木剣が地面に転がった。
「うぅ…」
「はい、これで俺の十連勝。まだやる?」
そこには尻餅を突いたザネルと彼の喉元に木剣を突き付けるサージュの姿があった。
サージュは決して弱い訳ではない。ただ、その戦術が“騎士らしくない”と言われているだけだ。ザネルは何も言わずサージュの木剣を払いのけると、ゆっくりと立ち上がった。
「お…覚えてろよ…この借りは必ず返してやる…グレイグの野郎もろともな…!」
彼はありったけの憎しみを込めた視線をサージュに向けて言った。さながら“視線で殺せるものなら殺してやりたい”といった所だ。
「いや、“借り”って…お前が稽古付けてくれるって言ったんじゃねえか…」
それに対してザネルは何も言わずに去って行った。その瞳に地獄の色が浮かんでいた事にサージュは気付かなかった。

その頃、オーギュスト学園長と女騎士エリーナは共に夕食を食べていた。
「どうじゃ?我が学園の食事はなかなかのもんじゃろう」
「はい、騎士団の食事より美味しいです」
「…しかし、君がこの学園に来た本当の目的が“それ”だったとはのう…」
「申し訳ありません。万が一のためですから…」
エリーナの傍らには一本の剣が立てかけられていた。その剣はいかにも大切そうに厳重に布にくるまれている。実はこれも魔剣の片割れの一本である。この王立騎士養成学園の宝物庫にあった物だ。王国騎士団は独自の情報網により、ゴルドリア帝国が学園の魔剣を奪うために刺客を送り込もうとしているという情報を得た。そこでオーギュストの既知であるエリーナが事前に回収に来たのである。この魔剣は王国騎士団本部で厳重に管理される事になる…はずだった。

しかし、運命と言うモノは時に残酷な現実を叩きつけるものである。
ーーーカタン・・・・
「ん?」
「ほ?どうしたんじゃシュトルフェラー?」
「あ、いえ・・・、何か物音g・・・!!?」
小さな何かの物音、普段なら別段気にする事は無いがエーリナはその物音に戦士としての勘が働いたのか辺りを見渡す。
そんな彼女の仕草に気になったオットーが聞いてくる。エーリナは彼の質問に「気のせい」の意味をこめた声で答えようとした瞬間、“ソレ”はおこった。
ーーーカタン、ガタガタガタガタッッッ!!!バンッ!!!
「っ!!?ま、魔剣が!!?うわっ!」
「な、何じゃt・・うぅっ!!?」
何重と布でくるまれていた魔剣を中心として起こった突風は、魔剣をくるんでいた布が引きちぎってしまったのだ。
そして、禍々しく光り輝く紫の光はオットーとエリーナがいる部屋いっぱいに輝きだす。
そして次の瞬間。
「くうぅ・・・。っ!!?魔剣が!!?」
「一体何が・・・。ぬぅ!?」
光が止み、視界が元にもだった2人は素早く魔剣があった場所を見る。しかし其処には魔剣をくるんでいた布がまるで“何かで焼かれた”状態で床に落ちているだけであった。

「くそ!!グレイグやアメリアはまだしも、俺があんな落ちこぼれなんぞに!!覚えてろよっ!!」
あの後、ザネルは動いて泥だらけになった体を洗うこともせずこのような独り言を吐き散らすように何度も口にしていた。
顔も禍々しく歪め、目はまさに狂気一色に塗り固めている。グレイグには実力が違う事は彼も重々承知しているが、学校内で騎士らしくないと言われ続けているサージュに負ける事が彼のプライドを大きく傷つけたのである。
「こうなったら闇討ちでも・・・ん?うわっ!」
最早、騎士道云々など捨てた事を言う彼の目の前の空間が突然強い光が発生した。驚く彼は目を庇うが、少しして光が収まりザネルは光は発生した場所を恐る恐るうかがった。

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