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オッパイストーリー!
官能リレー小説 - ファンタジー系

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オッパイストーリー! 7


「はぁ、はぁ、はぁ・・・・あぁ」
あの後、辺りを気にせず全力で走った彼は支部にある寮へと帰っていた。

そして、先ほどの出来事を思い出し玄関先で腰を地面に置き、顔を両手で隠し絶望する。
確かに彼女、ミランダに好意を抱いてはいるが彼女自身が自分になんの気も無い事など百も承知である。

だが、アースラの変な呪文や両手の模様の所為であんな事を、しかも他の客の前でしてしまったのだ。

ーー嫌われた

この一言が彼の頭を埋め尽くす


「あ、あの・・・ご主人様? なんで、そのような格好をしているのですか?」

「・・・ッ!!?」
一番の張本人、アースラがヨシュアの行動が分からないのか、そう質問してきたがその瞬間、彼の中の「何か」が切れた。

「『何でそのような格好をしているのですか?』だぁ〜?」
ヨシュアはアースラを睨み付けるように顔を上げると一気にまくし立てた。
「お前のせいだろうが!!頼みもしないのに余計な事しやがって!!もうお前なんて顔も見たくない!!今すぐ俺の前から消え失せろ!!そして二度と俺の前に現れるなぁーっ!!」
「そ…そんな…ご主人様…嘘ですよね…?」
わなわなと震えながら尋ねるアースラにヨシュアは何も言わず、乱暴に寮の扉を閉めた。
そのままヨシュアはベッドに潜り込み、頭から布団を被った。
扉の向こうからはシクシクとすすり泣く声が聞こえて来る。
(何だよ!?泣きたいのは俺の方だよ…!)
ヨシュアは無視した。
しばらくするとアースラの悲しそうな声が聞こえた。
「…分かりました…あなたとの主従関係を…解消します…」
(え!?解消?)
その言葉にヨシュアはピクッと反応した。
そしてようやく口を開いて尋ねた。
「か…解消ってどういう事だよ…?」
しかし返事はない。
泣き声も聞こえない。
「アースラ!?」
ヨシュアはベッドを飛び出して扉を開けた。
しかし、そこにアースラの姿は無かった。
「なんだ…もう行ったのか…」
今更になって「少し言い過ぎたか…」という後悔の念が湧いてくる。
「クソ…一言だけ謝るだけだからな…それにこんな半端な別れ方じゃあ後味が悪いし…」
ヨシュアはブツブツと呟きながら彼女を探して歩き出した。

「しかし探すと言っても一体どこから当たれば良いのやら…」
「ヘーデル三等魔法士官!」
とつぜん名前を呼ばれて振り向くと、そこにエイリアスが立っていた。
彼女も寮に戻る所だったのだろう。
「ちょうど良い所で会った。さっきは上手く逃げおって。君にはまだ先輩魔術師として話しておきたい事がたっぷり…」
「あ…あの、支部長!一つ訊きたい事があるのですが…!」
珍しく真剣な表情のヨシュアにエイリアスは何かただならぬ事態を感じた。
「…何だ?」
「ジャダ支部には、ジャダの街の全ての記録が保管されてますよね?」
「うむ、私は一応一通り把握しているぞ。魔術師として自らの赴任する街の概要を把握しておくのは当然であり…」
「なら500年前に死の森に封印されたアースラという淫魔族の女を知っていますか?」
「アースラ…?」
エイリアスは首を傾げたが、やがて何か思い出したようだ。
「…ひょっとして淫魔将軍アースラの事か?」
「淫魔魔将!?あいつ将軍なんかやってたのか…」
「は?何を言っとる?」
「いえ、こっちの話です。それよりその話を詳しく聴かせてください」
「その昔、この大陸には魔物と人間が共に暮らすサージタリアという国があったそうだ。王は人間だったが、人外の種族も差別せず、等しく国民として扱っていたという…。しかし、寛大な王の死と共にサージタリアは人間派と魔物派に分裂し争い始めた。そして最終的に人間派が勝利を収め、新たに建国した人間だけの国家が我がトパジオン王国だ。アースラというのは魔物派の将軍の一人で、最後までトパジオンへの抵抗を続けていたが、このジャダの地で敗れて封印されたのだ。確か森の中に封印の碑があったはずだが…」
「そ…そうだったのか…(そしてその碑を俺が壊しちゃったのね…)」

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