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オッパイストーリー!
官能リレー小説 - ファンタジー系

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オッパイストーリー! 16

「さて、調査の内容は私が使い魔で遣したと通りの内容だ。この付近に不自然な魔力反応を感知したと言う報告が魔術庁から入った。何か心辺りが無いか? 一応言っておくが嘘はつかないほうが身のためだぞ?」
人当たりの良さそうな笑みから一変、鋭い剣のように睨みつけながら低い声で言うオルレアーナ。
彼女から出る殺気と言ってもよいプレッシャーが狭い支部長室をあっという間に埋め尽くす。
「っ?!!」
「へぇ」
「ふむ・・・・残念だが此方は全く心当たりがないのだがな・・・」
そのプレッシャーを前に平然としているアースラとエイリアス。ヨシュアは彼女の気を受け顔を真っ青にしている。
「本当か?ならなぜ、魔術庁から連絡が入った?」
「さて、それは分かりかねる。もしかしたら、動物か何かが誤って石碑を動かしてしまったのではないか?」
「石碑?」
「あぁ、このジャダの近くに深い森があってな。その森にアースラという淫魔が封印されている石碑があると言う記録がある。たぶん、その石碑を動物、もしくは魔物が動かしてしまったのだろう」
淡々と彼女に自分なりの解釈を説明するエイリアス。
その堂々とした姿勢は真っ青になっているヨシュアからはさながら神に見えたことだろう。
それほどまでに今の彼女の姿は凛々しくも頼もしく見えているのだ。
「封印の石碑が?はっ、それは可笑しいだろう。もしそのアースラとか言う淫魔を封印している物なら動物や魔獣除けの付加がかけられているはず。
それを無視して石碑を動かしただと?ははっ・・・ふざけるなよ?」
今までのよりも遙かに重い、殺気とも呼べるソレを出すエルバラン。
「ふざける?何を馬鹿な。仮にその付加が掛けられていたら何故、魔術庁は調べに来ない?そういった類のモノは確か効果が切れる少し前に再び掛けなければ意味がないはずだ。
それなのに、現に此処ジャダにはそれらしき者が一人も来ないのだぞ?
前代ならいざ知らず、「今の」魔術庁、並び騎士団本部がこんな辺鄙な田舎にわざわざ自分から足を運ぶと思うのか?エルバラン殿」
「・・・」
だが、エイリアスの言った事に彼女は考える仕草をする。
(これは・・・いけるか?!)
エルバランの考える様子を見て、ずっと蚊帳の外であったヨシュアは手に汗を滲ませる。
先ほどから彼女とマグダウェルとの腹の探りあいに外野であった彼は常にその強大なまでのプレッシャーを肌で感じながら寿命が縮む思いを感じてきたとあって、彼女の姿勢はヨシュアにとってこの地獄を向けだす唯一の希望なのである。
「・・・・確かに」
「っ!?」
エルバランからでた言葉に、一瞬からだを浮き上がらせるヨシュア。
「確かに、貴官の言う通りだ。
この手の魔術は上書きを繰り返さなければ意味を持たないもの。通常なら、こういった魔術は研究に研究を積み重ね、半永久的なモノにするのが魔術庁の役目・・・。それを無視している魔術庁にも非がある・・・と言えばあるのだろう」
「なら「しかしっ」っ・・・」
「私は本部の勅命で此処に来た身。はいそうですか、と言って帰れんのだよマグダウェル殿。
そこでだ。貴官らにその石碑とやらまで案内できないだろうか?」

(ええぇぇぇ〜!!!?)
ヨシュアは心の中で叫び声を上げた。えらい事だ。このままではアースラの封印が解けて復活した事がバレてしまう。そうなればアースラはエルバランによって再封印されてしまうだろう。彼女の魔力でもってして無理であれば、さらに応援の騎士団が来るはずだ。いずれにせよアースラはやられる。
(だいたい支部長は何を考えてるんだ!?自分からわざわざ石碑の話を持ち出したりして…!)
だが焦るヨシュアを余所にエイリアスもアースラも涼しい顔をしている。彼女達には何か秘策があるのだろうか…。
「フッ…いいだろう。ご案内しよう。だが、その前に…」
エイリアスは何かを含んだような笑みを浮かべながら、いつも彼女が使っている事務机に歩み寄り、一番下の引き出しから何かを取り出した。何やら重要そうに布にくるまれている。大きさは片手の上に乗るくらい…。
「せっかく王都よりわざわざ出向いていただいた騎士殿にお土産の一つも無しとあってはジャダ支部の恥と思い用意させていただいた物がある…ほんの気持ちだが…」
エイリアスはエルバランに包みを渡した。
「ワ…ワィ…っ!!」
ヨシュアは「ワイロかよ!?」と思わず声に出してツッコミそうになったのを慌てて飲み込んだ。真面目・誠実・公正の権化のような存在だと思っていた女上司が、まさかの“贈り物戦法”を取るだなんて…。
だが彼女は「今の騎士団は平和ボケしている」と言っていた。彼女の前の任地は大きな都市だった。ゆえに騎士達と付き合う機会も多くあり、そういう内部事情も知っていたに違いない。

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