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オッパイストーリー!
官能リレー小説 - ファンタジー系

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オッパイストーリー! 15

廊下を走りながら先を行く二人にヨシュアは怒鳴る様に質問する。
先ほどから一人蚊帳の外な彼にとって彼女たちの行動の意味がさっぱり分からないのである。
「ん?別に大した事では無い。私たちはこれから来る騎士を“丁重”に出迎えるだけだ」
「はい♪この人の言うとおりですよご主人様。これから来る騎士を出迎えて、普通に帰すんです♪」
「・・・・・・・は?」
訳が分からなかった。
一触即発の空気を漂わせていたと思ったら突然仲間(?)となったり。
何か策があるのかと思い聞いたら何もせず騎士を出向くと言う。
彼女たちの考えがまったく彼には理解出来ないでいた。

「ふふ。そう拗ねた顔をするな」
「・・・」
「はぁ、ヘーデル。お前は今、騎士団内部が平和ボケしているのを知っているか?」
「え!!?」
エイリアスが言った事にヨシュアは素っ頓狂な声を上げてしまう。
「まぁ、王都に配属されなければ分からない事だから知らないだろうが。王が王なら部下も部下と言うわけだ。小説のような騎士道を持つものなど片手で余るだろうな」
「は、はぁ。あれ?なら偽者という王に仕えている人はいないんですか?」
「いるにはいるらしいが・・・・・本物はアレだ、悪知恵は働くだろう。多分、女や位、金もしくは・・・『人質』などで従わせているんだろうさ」
狭い支部長室に彼女の淡々とした口調が響き渡る。
部屋の中央に設けられたソファーに座っているヨシュアとアースラ。
ヨシュアはエイリアスによって明かされた真実にただただ無言でいるしかなかった。

ーーコンコン。
「着たか。入れ」
「失礼する。先ほど私の使い魔を寄こして内容は伝えているはずだ。早速調査に協力いただきたい」
「っ!!?」
「(ご主人様?)」
扉の向こうから聞こえてきた騎士の意外な声にヨシュアは少し驚いた。それは低く野太い声ではなく、高く澄んだ声…女性の声だったのだ。
(まさか女騎士だったとはな…)
扉を開けて姿を現したのは王国騎士団の略装に身を包み、腰には女性用の両刃剣を下げた見目麗しい女性…いや、まだ娘と言った方が良いかも知れぬ年頃の女騎士だった。
紅色の長髪を後頭部で縛ってポニーテールにし、意志の強そうな翡翠色の瞳、胸は……
(な…無い!!)
ヨシュアは愕然とした。いや、よくよく見れば完全に無い訳ではない。おそらくヨシュアと同年代か少し年上であろう彼女の年齢にしては慎ましやかな膨らみが僅かに有るような、無いような…。
一方、目の前の男にそんな目で見られているとは露ほども知らず、女騎士は三人に挨拶した。
「お初にお目にかかる。我が名はオルレアーナ・リーディア・ド・エルバラン。国王陛下の命によりジャダの街の“調査”に参った」
「エルバラン?エルバランってあのエルバラン?」
ヨシュアはその姓に聞き覚えがあった。エルバラン侯爵家…トパジオン王国で最も広大な領地を有する大貴族。その財力および兵力は王家とその親戚筋である6つの公爵家が束になって、ようやく釣り合うレベル。
「こ…こら!ヘーデル、失礼だろうが!申し訳ない、エルバラン殿。私は魔術庁ジャダ支部長エイリアス・マクダウェル一等魔術士官、こちらは私の部下、ヨシュア・ヘーデル三等魔術士官です」
エイリアスはヨシュアを咎めつつ女騎士オルレアーナに自分とヨシュアを紹介した。
「うむ。マクダウェル殿、ヘーデル殿、よろしく頼む。…して、そちらのご令嬢は?見た所魔術士官ではないようだが…」
オルレアーナはアースラの方を見て尋ねた。
「私?私はアーネル・マグカット。此処の支部の・・・まぁ、お手伝いってとこかな?」
「お手伝い?」
「あぁ、此処は王国の辺鄙な場所なのだ。貴殿も此処に来た道中見ただろう?この辺は平和すぎて事件の一つも起こらないし、仕事も少ない。すると自然にこの支部の手伝いを申し込む輩が出てくるのさ」
「ふむ。確かに・・・・、そうだな。アーネルだったか?よろしく頼む」
「はいはい此方こそ♪」
「・・・」(すご・・・)
ヨシュアは目の前で起こった出来事に目を大きく開きながら呆然とするしかなかった。
アースラの突然の偽名と嘘にエイリアスが違和感の無い自然な言い訳を平然と言って騎士を納得させたのだ。
打ち合わせの無いぶっつけ本番。この二人、実は結構気が合うのではないだろうか。

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