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ロイ――新世界を刻む者
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ロイ――新世界を刻む者 47


その肉をデラはかなりの量食べていたのだ。

直接の摂取でない為、同じ様に食べていた他の人間にはそれ程の影響はなかったが…。

デラは戦いの後は男と更に一戦を交えたくなる体質だった。

ある意味、特異体質とも言えるデラ。
ミノタウルスの肉に沈殿したキノコの成分が諸にデラの特異体質に影響を及ぼしていた。

「ロイ?昨日はおまえから…キスしてきたよなぁ…」

デラは普段は決して見せない様な笑みを浮かべてロイの手に自分の手を重ねてきた。

「あぁ…」

しまったと言う表情で言葉を濁すロイ。
だが…。

「デラ…おまえ…酔っているのか?」

デラの様子がおかしい事に気がついた。

「お酒なんて…飲んでませんよぉぉぉだ」

「ん?」

ロイは眉をひそめた。

デラは言葉使いまでおかしくなっている。

「ねぇ…ロイ…抱いて欲しいなぁ…」

甘えている!?あのデラが…!!

ロイは戸惑いを隠せなかった。

「ほら…触ってみて…」

ロイの手を取ると自分の乳房に導くデラ。

「や…やめろ!」

その手を振りほどくロイ。

「なんで…ロイ…」

デラが潤みを帯びた女らしい瞳でロイを見つめる。

「そんな目で見るな…おまえはもっとガサツで不敵で…男っぽい。
そんな、おまえが…」

ロイはハッとして次の言葉を飲み込んだ。

「そんな意地悪言わないでぇ…」

デラがロイの胸に顔を埋める。

「とにかく…ダメだ。
今のおまえは…おまえじゃない」

絞り出す様に言うロイ。

そして…。

「今…してやれるのはコレだけだ…」

デラをギュッと抱きしめる。

「お願い…お願い…」

暫くロイの腕の中で甘えていたデラであったが…。
いつの間にか眠りについていた。


夜が明けた。

「ふぁぁ…!」

ロイの横で大きな欠伸と共にデラが目覚めた。

眠そうな目を擦ってそのデラを見つめるロイ。

「大丈夫か?おまえ…」

「ん?気分は爽快だぜ」

ロイの心配を余所にデラはケロッとしている。

「なぁ?おまえ…昨日…」

「やったのか?まぁ別に初めてじゃないだろ」

デラの答え少し妙だ。

「デラ…おまえ…昨日の夜の事は…」

「それが…あんま憶えてないんだ」

ロイの事葉を遮ってデラが顔をしかめる。

「そうか…」

ロイの口元に呆れた様な…ほっとした様な…小さな笑みがそっと浮かんだ。

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