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ロイ――新世界を刻む者
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ロイ――新世界を刻む者 44



だがシャングリラは比較的まともな人間だ。
いつ危険が襲ってくるか判らない状態でデラの軽口に付き合えるほど神経は図太くなかった。

「はっ!見て!アレ…」

そんなデラが何かを見つけた。

その様子にデラも態度が一遍する。

素早く剣を構え直すと鋭い眼光でシャングリラの視線の先を追うデラ。
この辺は流石としか言いようがない。

「ぶふぉぶふぉぉぉ」

なんと、現れたのはミノタウロスだった。

しかも2mを越す長身に筋肉質な赤銅色の体躯。

しかも・・・・・・

「何てこと!発情してるわ!!!」

ミノタウロスの股間には、人間にはありえない恐ろしく太く長い男根がそそり立ち、彼の瞳は3人の中でもとりわけHっぽい身体の女・・・シャングリラを見据えていた。

「ラフィ!おまえはシャングリラを守れ!」

剣を斜め下段に構えたデラ。
下からミノタウルスを睨み付けながら怒鳴る。

ハンマーを構え力強く頷くラファエル。

シャングリラも腹を括った様だ印を結び黙々と魔法の準備を進める。

「フモォォォ!!」

荒い鼻息を吐き出すミノタウルスがもう一度、大きくいなないた。

「二人とも気をつけろ…コイツは強えぇぞ!」

デラの双眸に鬼神の闘気が浮かび上がる。

その闘気に触発されたのか…ミノタウルスが暴れる様に木立の陰から三人の前に躍り出た。

「いくぜ…牛やろぉぉ!」

勢い良く踏み込むデラ。
下からすくい上げる様な一撃だ。

「フモォォォ!」

ほぼ同時にミノタウルスがその丸太の様な腕を横に凪いだ。

弾かれた剣と共にデラが転がる。

が!その勢いを利用したデラ。

ミノタウルスの足元に転がり込むと、その牛の脚その物の脚を斬りつけた。

ガキン!!

デラの剣とミノタウルスの脚の骨が鈍い衝突音を放つ。

さほどダメージにはなっていない様だ。

叩きつける様にミノタウルスがその腕を振り下ろしてきた。

転がって避けるデラ。

だが予想以上に素早いミノタウルスの追撃。

反対の腕がデラに向かって振り下ろされる。

巨大な拳が面前に迫ってきた。

「くっ!」

デラは反応出来ない。

次の瞬間…デラの前で何かが弾けた。

ラファエルのハンマー。
ラファエルのハンマーが真横にミノタウルスの拳を凪いたのだ。

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