ロイ――新世界を刻む者 32
ラファエルの下腹部に覆いかぶさると…ズボンの中でハチキレそうにいきり立って部分に手を添えるシャングリラ。
「シャン…グリラさん…」
ラフェエルは潤んだ瞳でその様子を見つめる。
「かわいそうに…ラフィ…今…楽にしてあげるからね…」
同じ様に眼鏡の奥の瞳を潤ませたシャングリラ…。
その白くか細い指先がラファエルのズボンにかかった。
−その頃…ロイは…−−
「アポリー…もう少し右に測量棒を立てくれ。
よし…ロベルト、距離の実測をしてくて。」
水準器(今で言うところのレベラー)を覗き込んで基点となるポイントの測量に余念がなかった。
「ね!ロイ!」
不意に後ろから話し掛けられたロイが苦虫を噛んだ表情で振り返った。
リュックが満面の笑みで立っていた。
ロベルトとアポリーは割りと礼儀正しい。
ミラはオドオドとして必要以外の事はロイに話しかけてこない。
だが…このリュックはまるで友達の様な口調でズカズカとロイに近づいてくる。
正直…苦手なタイプであった。
「あのさー」
当のリュックはそんな事はお構いなしだ。
「なんだ!」
あからさまに不機嫌に答えるロイ。
「ボクさぁ…鷹のテストしてきていいかなぁ?」
リュックはそんなロイにも何処吹く風といった感じで笑っている。
確かにシスター等との連絡用の鷹のテストは重要であった。
「ミラちゃんも…もう一人で大丈夫っていってるし。
ゴッコのおじさんもテスト手伝ってくれるって言うし」
この少女にかかると司祭も…おじさんか…。
ロイは半ば呆れながらもリュックの申し出を了承した。
−再び…シャングリラとラファエル…−−
「あぁ…シャングリラ…さん…」
シャングリラがそのぽってりとした可愛らしい唇にラファエルのいきり立ったモノを含んでいた。