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ロイ――新世界を刻む者
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ロイ――新世界を刻む者 31


―シャングリラとラフィ―

「あら!?こんなの見た事ないわ!」

シャングリラはレポート用紙を片手に草花の観察に余念がなかった。

未知なる物は直ぐにレポート用紙にまとめる。
それがシャングリラのシャングリラたる所以だった。

「ラフィ…そっちは?面白い物あった?」

「見て下さい…見た事のないキノコがこんなに…」

少し離れた場所にいたラファエルが両手にキノコを抱え戻ってきた。

「ほんとだ!凄いはねぇ…」

しゃがみ込むシャングリラとラファエル。
地面に置いたキノコを囲み二人は興味津々といった感じだ。

ラファエルがおもむろに手を伸ばすとキノコの一つを口に運んだ。

「ラ…ラフィくん!!」

その様子を見たシャングリラが目を丸くする。

「……うぇ!苦い!」

ラファエルは顔をしかめてキノコを吐き出した。

「だ…大丈夫!?ラフィ!」

シャングリラがラファエルの顔を覗き込む。

「これ…毒キノコみたい…」

ケロっとした顔のラファエルがサラっと言ってのけた。

「えぇぇぇ!!大変!毒キノコ食べちゃたのぉ!…解毒剤は!?」

軽くパニックになったシャングリラがラファエルの革製の肩掛け鞄を漁ろうとしている。

「大丈夫ですよ…僕…毒には強い体質なんです」

ラファエルはそんなシャングリラを尻目にニコニコ笑っている。

「そ…そうなの?」

ラファエルの言葉にシャングリラも少し余裕を取り戻してきた。

「だから…食べれる物かどうか…こうやって確かめられるんです」

ラファエルはそう言い終わると別のキノコを口にほうり込んだ。


「これは…甘くて美味しいです」

目を細めて微笑むラファエル。

「凄いのねぇ…ラフィ」

シャングリラはうっとりと美味しい顔のラファエルを見つめた。

「ん!?」

一転してラファエルが眉をしかめだした。

「どうしたの!?」

シャングリラの顔も再び不安に曇る。

「なんか…毒じゃない…けど…身体が熱い…」

ラファエルの両頬が見る見る赤らみ…その可愛げのあるクリクリとした瞳が潤んでくる。

「まっまさか、これ、媚薬効果の茸じゃ……」
「びっ媚薬、ふにゅ〜ごっごめんなさい」

ラファエルは自身の内で高ぶる躍動に後悔する。
まるで尾を垂れ、耳を落とすような獣人の少年にシャングリラは生唾を呑んだ。

「ラフィ、そんなの気にしなくて良いのよ」

「え、シャ、シャングリラさん!そんな近付いたら、ま…マズいですっ」

シャングリラは服を脱ぎ始めるラファエルは慌てて止めようとする。

「ダメっよ、ラフィ勃起して苦しいんでしょう。お姉さんの言う事を聞きなさいっ!」

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