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ロイ――新世界を刻む者
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ロイ――新世界を刻む者 28

「彼らは全てを知ったうえでの…たっての志願でございます」

ロイの心を察知しているシスターは子供に諭す優しさで言った。

「ウィルフレッド王の御心でもございますよ…オーガスト殿」

シスターに対してゴッコが助け舟を出した。

こうなっては流石のロイも了承せざるおえなかった。
憮然とした顔で頷くロイ。

「危険な旅なのか?」

そんなロイの様子がおかしいのか…危険な旅がうれしいのか。
口元を緩ませたデラがロイに尋ねてくる。


「ああ…危険だ、おまえも辞めるなら今のうちだぞ」

苦虫を噛み潰した様なロイ。

「ふざけんな!アタシは危険な事になれば、なる程濡れてくんだよ!」

ニヤリと笑うデラ。

「まぁ…」

シャグリラはデラのキワどい下ネタに両方の頬を赤く染めていた。

「コホン!これ!シスターの前ですぞ!…失礼しましたシスター」

デラを諌めたゴッコがシスターの方に柔和な微笑みを向ける。

「構いませんよ…気になさらいで下さい。
デラさん…実はわたくしもそうなんですの」

シスターはそう言うと悪戯っぽい笑みを浮かべた。

今度はゴッコの顔が真っ赤になっていった。
つれてラファエルも顔を真っ赤になる。

こうして気まずい雰囲気も有耶無耶になりロイたちは一行に新たなメンバーを加えた。

新しいメンバー。

22歳のロベルトと19歳のアポリーは兄弟であった。
ロイの助手や馬車の管理等を担当する。
二人とも中肉中背で…極普通の服装であった。

ポッチャリとした身体を黒いメイド服に身を包んだ少女はミラ…ロイたちの生活の世話を担当する。
全体的に丸っこい顔で赤毛のお下げ髪。
愛くるしい感じの20歳の娘だった。

狩人の様な格好をした少女がリュック…通信用の鷹と馬の世話を担当する。
細身で金髪のショートカットにソバカスの活発な感じの18歳の娘だった。

ゴッコに促されたロイがそれらの若者を加えたメンバー全員に旅のルート…そのあらましを説明し始めた。

他の測量隊は船団と連携をとって東西の海岸線を基本に測量してゆく。

だが…ロイたちだけは一台の馬車、二頭の馬で『新世界』中央を南の海岸線に到達するまで踏破してゆく。

言ってみれば『新世界』のど真ん中に真っ直ぐ…ぶっとい道を曳いてゆく。

話を聞いたデラが目を輝かせ…短く口笛を鳴らす。

確かに他の測量隊と比べても危険極りない旅の工程であった。

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