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ロイ――新世界を刻む者
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ロイ――新世界を刻む者 27


シスター・アンの唇を吸いながら腰を動かし続けるゴッコ。

その瞳をうっとりと見開いたままゴッコの身体をだきしめるシスター・アン。

その営みは紛れもない男女の営みであったが。
どこか宗教的な儀式の様であった。

…………夜が空けた。

準備を整えたロイ達が礼拝堂に集結している。

神像の前で出立前の祈りを捧げるゴッコ。

その様子を神妙な面持ちで見つめるロイ達。
そんな中でもデラは堂々と欠伸をして大きく伸びをしている。
その欠伸はラファエルに伝染し…ロイは舌打ちし…シャングリラはクスクスと笑い出してしまった。

「ん…んん!」

その様子を察知したゴッコが大きく咳払いをする。

そんな一同の様子をシスター・アンは柔らかな微笑みを浮かべ、心の瞳で見守っていた。


ゴッコ司祭が祈りの言葉を終えた時であった。

ギィィィィ…。

重々しい音と共に礼拝堂の扉が開いた。

顧みるロイたち。

外部より差し込む眩い陽の光の中に四つのシルエットが浮かび上がった。

「入らした様ですね」

四つのシルエットの正体を知っているシスターがニコッリと微笑んだ。

四人のシルエットはややぎこちない動きでロイたちに近づいて来た。
恰好からしてグロリアス・ノヴァの住人の様だ。

男が二人、女が二人。
いずれも十代後半から二十代前半の若人たちであった。

「彼らは?」

予期せぬ人物たちの予期せね登場にロイは眉をしかめた。

「オーガスト様の手伝いや長旅に於いての生活の御世話をさせて頂く街の若者でございます」

シスターは当然の事といった感じで静かにロイたちに告げた。


「街に戻れるのはどれくらい先の事になるか判らないし…かなりの危険が付き纏った旅だと知っているのですか?」

ロイの口調も穏やかではあるが言葉の内容やニュアンスは拒絶的な感じであった。

元来、人付き合いはあまりいい方では無かった。
そして、あの日以来益々他人に対して距離を置きだしたロイであった。
これ以上他人と関わるのは勘弁して欲しい。
正直な気持ち、そんなところであった。

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