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ロイ――新世界を刻む者
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ロイ――新世界を刻む者 20


ビクッと震えるシャングリラ。
大男の前に何時になく険しい表情のラファエルが立ちはだかった。

「おっさん!アタシがお相手しようか?」

更にデラが割って入った。

「おめぇじゃぁ…金貨は一枚だな…」

「ぐっ!ふざけるな!それに相手するってのはこっちの事だ!」

怒りを露わにしたデラが剣を振りかざした。

「…!じょ…冗談だよ…気をつけてな…」

大男はヘラヘラと笑いながらその場から去っていった。

「…ったく!ふざけやがって!」

剣を収めたデラ…まだ腹の虫が治まらないのか肩で荒い息をしている。

「おい…行くぞ…金貨一枚」

そんなデラをからかうロイ。

「きっ!きさまぁぁぁ!」

デラの物凄い剣幕に物乞い達ですらロイ達の周りから消えていった。
「んでっ、あたしらはこれからどうするんだい?」
船から降りるとデラはこれからどうするのかロイに訊いて来る。

「そうか、お前は勝手に来た上に密航者だからな。」
「それしか無かったんだ、仕方ねえだろう。」
デラの質問にロイはデラが密航者なのを思い出すとデラは悪びれる事なく言い返す。



「『新世界』に踏み出す前にエストール修道院に向かえば、いいんですね?」

ロイはゴッゴ司祭の方を振り返った。

「そうです。オーガスト殿」

ゴッゴ司祭は柔和な笑みを浮かべしっかりと頷いた。

『新世界』に出る前にエストール修道院で準備を整えよ。
ウィルフレッド王並びに教皇庁からの達しであった。

石の平屋造り…角張った建築様式の武器屋や酒場。
それらの合間に点在するフルーツや魚を売り捌く露店の数々。
それら店が立ち並ぶ港からの通り。
多くの人々、様々な人種の人々がこの通りを往来している。

この通りを真っ直ぐ進むとグロリアス・ノヴァの中央広場があった。

そして目指す修道院はその広場の中心にあった。

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