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ロイ――新世界を刻む者
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ロイ――新世界を刻む者 13

「そっ。そして、この船で一番いいカードはアンタ――お分かり?」

「ふんっ。それで?きみ……デ・ラ・ルクスは何故、新大陸へ?」

「別に……あたしだって、好きで行くわけじゃないさ。でも、仕方がないだろう?あたしは――」

「犯罪者?賞金首ってとこか?」

「っ?」

デラはハッとロイを見つめる。
そのハンサムな顔が驚愕に染められたことにロイは密かに気を良くした。

「違うか?」

「〜〜。正解さ」

「でも、見たところ凶悪ではないな」

「……なんで、そう?」

「目を見ればね。昔、飼っていたロバにそっくりだ」


「ロバ!?だと!ふざけるなぁ!」

デラは凶暴な牙を剥き…ロイに掴みかかっていた。

「お…おい…」

ロイはデラに胸ぐらを捉まれ…引きつった笑いを浮かべる。

「随分と騒がしいですねぇ…」

船室のドアが開き…ゴッゴが、シャングリラが、ラファエルが恐る恐るといった感じで中を覗き込んできた。

「こちらは…デ・ラ・クルスさんだ」

胸ぐらを掴まれたまま…ロイは三人にデラを紹介した。

「十字架の〜、ですか実に敬虔な御名前だ」

ゴッゴ司祭が宗教家らしい言葉でデラの名前を誉め称える。

「かつて“エメリア・デ・ラ・クルス”…十字架のエメリアと呼ばれた聖女がおりましたが…それに肖った御名前ですかな?」

ゴッゴ司祭は目の前の光景に助け舟を出しているつもりなのであろう。

にこやかな笑みを浮かべ船室に入ってきた。

「聖女かどうかは知らんが…十字架なら生まれ落ちた時から背負っているさ」

拍子抜けした感のあるデラは…ロイの胸ぐらから手を放した。

「人は誰もが十字架を背負って生きている…か」

ロイの口元に自嘲気味の淋しげな笑いが浮かぶ。

ゴッゴ司祭は温和な微笑みをロイに向ける。

ラファエルはそんな様子をキョロキョロと不思議な顔で見つめていた。
(何かあの司祭様、胡散臭い後でロイさんに用心した方が良いと言っておこう。)

ロイとゴッコ司祭を見ながらラファエルはゴッコが油断出来ないのをロイに話すのを考えていた。

「そろそろ祈りの時間ですから、失礼します。」


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