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ロイ――新世界を刻む者
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ロイ――新世界を刻む者 11

女はロイ本人に気付かずロイ本人にロイの所へ案内しろと睨んでロイに命令する。

「俺がそのロイだが………」
「えっあんたが…ロイなのかよ!」

ロイはこの女を刺激しては不味いと思い自分がロイだと素直に名乗る。
しかし、女はやさぐれたロイの姿をみてイマイチ信用できなかった。

「まあ、この風貌だから仕方ないな。」

「そこまでだ!女!」

女がロイに詰め寄せた時に低いバリトンが甲板に響き渡った。

タラワ船長だった。

手にはサーベル…後方には見るからに先程の船員とは格が違う部下が控えていた。

「何をしている…牝ネズミ…」

タラワ船長はゆっくりとサーベルを構える。

殺気…そのサーベルは伊達ではない様であった。

「すみません…船長…私の助手が…」

自分でも予想しなかった言葉が…ロイの口から漏れた。

「オーガスト殿の助手?」

タラワ船長は明らかに訝しがっている。


「そうです…今回は来れなかったはずなのに、急遽来れる事になって…」

ロイは話を繕った。

「なに…!」

女がロイの横顔を見つめ怒った様な…驚いた様な声を上げる。

「おまえは黙っていろ!」

余計な事は言うな…そんな目でロイは女を睨み付けた。

「ええ、出港直前に乗る事が出来まして船長に紹介をするのをうっかり忘れてたんですよ。それで密航者と間違えられたんですよすいません。」

「なるほど、話はわかりました気を付けて下さい。
おい、みんな引き上げるぞ。」
タラワはサーベルを引っ込め伸びた船員たちを部下達に担がせると引き上げた。


「余計な真似を…」

タラワ船長達が引き揚げると…女は獰猛な牝獣の瞳をロイに向けた。

「礼は要らない…」

女の視線と言葉を無視する様なロイの態度だった。

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