中出し帝国 68
「分かった。なら、一緒に頑張ろーね!レーセ!」
ニッコリ微笑み合う二人。
純粋な感情が、お互いを固く結んでいた。
……多分、そうだろう。
「………………………………………私一人だけが悪人に聞こえるのは何故かしら?まぁ良いけど。」
痺れを切らしたルル。
片手にはバイブ二本。もう一方にはロープと、小さい球に革製の小道具がぶら下がっているのを携えていた。
「……ねぇレーセ?あの小さい球体なにか知ってる?」
思わず小突いたイリス。
しかし振られた本人は上の空であった。
「はぁああ♪そ…そんな…姫様自らボールギャグを持ち出すだなんて……そこまでイヤらしい事してくれるんですか姫様ぁッ♪………あぁッ♪」
「は?……ボールギャグ?何それ。」
聞き慣れぬ物体の名称に畏怖感を隠し切れないイリス。
対するは、奇声を上げて発情期を迎えたレーセ。呼吸の荒さと頬の紅みは、先程の比ではない。股に溢れる蜜も同様だ。
「はぁ…。なんか面倒臭くなったわねぇ。あんだけ盛ったレーセをイジメても面白くないし。……止めちゃおっかな〜」
「「え?」」
レーセとイリスは見事にハモると、お互い顔を見合わせた。
(…これが本当なら、レーセには何のお咎めも無いって事よね?…良かった…)
(そ、そんな…ようやくイジメて貰えると思ったのに…姫様、いったいどうして…やっぱり、イリスちゃんがいるせいかしら?やだわこの娘ったら♪そもそも貴女が殿方を呼ばなければ私はイジメられていたのに。)
互いを想い、と言えば聞こえは良いが、レーセとイリス双方の思惑は正反対である。
一見助け合っているように感じるものの、そこには微妙に邪な気配が漂っていた。
(レーセ……何かわざと罰を受けたいかのようね)
そんな気配を、ルルは敏感に感じ取っていた。
レーセとは付き合いも長く、こうした体罰は幾度なく行われてきた事もある。
少しばかり頭が痛いルルは、目を閉じながら思案顔。
「まぁでも……1度はやるって言った事だし、罰は罰できちんと与えるべきかしら」
ルルが溜め息混じりに呟くと、両名が同じに顔を上げる。
レーセとイリス、露になった各表情の違いは、ルルにしてみれば一目瞭然。
イリスは、やはり罰を受けると落胆の色。
レーセは、改めて罰を受けられると悦びの色。
(ホント、盛のついた女……いや、レーセは質が悪いわね……)
ルルは額に手を遣りながら、やれやれと首を振る。その表情には諦めの色が。
こうなっては、罰を与えねばレーセの発情は治まらないだろう。
(面倒だし、ちゃちゃっと終わらせたいけど……ここまで来たら、逆に徹底的にやりたいわね)
ルルの瞳が妖しく光り、クツクツと不気味な笑いが口元から漏れる。