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中出し帝国
官能リレー小説 - ファンタジー系

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中出し帝国 1

ヤタミル大陸の中央より少し西に位置する、中規模のレストリア帝国。
その帝国では、富国強兵策の一環として、毎週に一度行われる『接合令』という法が存在する。
それは女性にとっては至極残酷的だ。一日中、休む暇も与えられずに帝国の兵士達とセックスをしていなければならないからである。
当然、その法が成立するまでの間、当時の皇后を含む全ての女性から反対の意が飛び上がった。しかし、当時のレストリア帝国では、帝国とはあまりに誇れ無いほど人口が少なく、簡単に他の帝国に塗り潰された。

王は、この国が衰退して滅ぶのは仕方ないことかもしれないと思いつつも、昔の栄光や繁栄した歴史を壊されたくなかったのだ。
だから、自国に責めてきた相手国の王にこう懇願した。
「私の国は、見ての通り乏しくて酒などは臨めんが、国中の女を好きにしてくれて構わない。だから、この国の名前だけは、どうか、どうか残したままでいて欲しい!」と。

当時はこの愚かな王によって、国の女性達はみな他国へ亡命しようと活動したがそれも叶わずに王がくだした命令を、中には自害を行う者も多数存在したが残りは全員泣き寝入りしたそうだ。
なんとも、当時の女性達には表現もままならない過酷な毎日が続いたのであろう。


後に、このレストリア帝国は別名『中出し帝国』と呼ばれるようになり、今日のガレスト紀105年になっても、他国からの蔑みと冷酷な視線が絶えてはいない。
しかし、一つだけ述べられる事は、現在の大帝国、ファウストの裏国であるレストリア帝国が、やがて滅び去るのは時間の問題である。
「…………………バッカみたい。」

晴天の青空の下城壁に囲われている庭で、一人でそうつぶやいたのは、ヴァクトール・エス・フェン・レストリア皇帝のたった一人の娘であるルル・エス・フェン・レストリアだった。
凛とした可愛らしさが顔に出ており、うなじから腰まで伸びる青色の長髪がそれを引き出たせている。
しかし、それに見合った仕草は……残念ながらしてはいないらしい。シルバーの淡い色彩をした絹のドレスは、背中からは土や砂、葉っぱだらけであるからだ。

ルルは酷く苛ついた様子で、他にもブツブツ小言で何かを言っているように見える。

「姫様。また何かお悩みですか?」

「……うっさいわね。」

そっと背後に近寄ってきたのは、この国のメイドであるレーセだ。

顔は大人びているが、年の方はルルと変わらず同い年で、過去にこのレストリア帝国に売国奴として引き取られたトラウマを持つが、その時はルルが懸命に励ましたおかげで自我を引き止められた人々のうちの一人である。

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