中出し帝国 52
ルルは事も無げに言い放つと目を細め、部屋を出て行った。
兵士達も顔を見合わせ、そそくさと続くように部屋から逃げ帰って行く。
レーセとイリスは、バイブで繋がれたまま、部屋に2人残された。
「ひぐぅっ?! こんなんじゃ、お掃除なんてムリですぅっ?!
おかしくなっちゃいますぅー!」
「姫様許してぇ! んあぁあんっ! れ、レーセ、動いちゃらめぇっ?!」
ガクガクと快楽に翻弄される2人。
掃除が終了するのは、いつになる事やら……
ルルは、1人廊下を歩く。
クラウが待つという、あの場所へ向かって。
〜〜〜〜〜〜
薄暗い鉄格子の中、幼さの残る少年は陰欝とした表情で、とても心配そうに独り言を漏らしていた。
「…うぅっ。どうしようどうしよう?あ…あんなに出しちゃったんだもん。絶対妊娠させちゃったよ。」
(良いんじゃね?別に…お前が出て来た時に、あの女…抵抗するどころか逆に求めてたじゃねぇか。)
自身の心の奥底から囁かれる声に、クラウは安心するのではなくさらに不安そうにつぶやいた。
「うぅ…というか、ほぼ全部君のせいじゃないかぁ……えぐっ。うぇぇ…」
とうとう泣き出してしまったクラウ。
(何を言ってる!俺は快楽に正直なだけだ!寧ろ、据え膳すら喰わないお前の方に問題がある!)
勝ち誇る心の声。確かに一理ある。クラウは、昔からルルのようなタイプの女性から押し倒された経験などざらにあるのだが、それのどの女性からも逃げ出す程の奥手なのである。
「だ…だってぇ、ああいう事は本当に好きな人としか、したら駄目なんだよぉ……」
(いや、その台詞はこれまで耳に穴が空く程聞いたから、涙ながら力説すんのは止めてくれ。)
クラウは目から涙をこぼしながらも続ける。
「ひくっ!…そ、それは君がぁ…」
(シッ!静かにしろって!)
独り言…否。二人の会話を遮断させたのは階段から響いた靴の足音。
(あれ…?お姉ちゃんもう来たのかな。)
胸の鼓動が高くなり、呼吸も荒くなる。
しかし、もう一人の彼がその思いを静止させた。
(…かもな。だが、もし奴らだったら、ぜってー俺に主導権を渡せよ!ここに来たのはあくまで隠密行動の一端に過ぎないんだからな!)
(わ…分かったよ。もう変わっとく。僕には君みたいに骸骨の仮面被った人達と対当に渡り合える力は無いからね。)