中出し帝国 34
「…あ…え、えぇと…多分、姫様と同じではないかと。」
ルルは鋭い目つきで、怯えてしまったレーセを睨みつける。そのさまはまるで蛇に睨まれた蛙であった。
「同じィ?」
漠然的な回答を不服と捉えたのか、ますます睨みが酷くなった。それは修羅の如く目を尖らせ、いつの間にか利き手に持った『バイブ』は『強』に。
ヤる気だ。
「…は、はいッ!あのですね姫様?私は一昨日、城の塀をお掃除している時にボロボロの身体のクラウちゃ……いえ、気絶したクラウ様を発見したので、包帯などを巻くなりして介抱したんです。…ですが、起き上がられるが早いか…」
「ふぅん成る程。それでヤられたって訳ね?…そっか、だからあの時あんなに疲れてたんだ?」
レーセの説明を聞くなり、鬼の形相が鎮まり『バイブ』の電源も落としたルル。
とりあえずは納得したらしい。
ホッと胸を撫で下ろすレーセ。
「…で?クラウはどうしてここの城になんか来たのよ?今頃ファウストの城でくつろいでるんじゃないの?ってかあの子なんで牢屋にいるのか理由、ひっひぇる(知ってる)?…はほふぁ…(あとさぁ…)」
空腹なのか、お腹が鳴るなりすぐ朝食に手を出すルル。
「姫様。質問はまとめてするものではありませんよ。あと、先日も申し上げた通り口の中に物を入れながら話すもんじゃありません!」
行儀の悪さに叱責する。が、これはわざとなので言い分を聞く耳は無かった。
「ふぉんなほろ(そんなこと)言ったってぇ…んっ。昨日は朝ご飯以外何も食べないでいたんだからお腹空いてるの!」
「そんなこと知りません!姫様が昨晩夕食ほったらかしでどこかに行ってたから私がお下げしたんです!…一体いつまでやってたんですか!?この淫乱馬鹿!…………………ぁ」
つい、言ってはならんことを言ったのに気がつき、フリーズしたレーセ。
対し、ルルはみるみる内に鬼の形相が再来してしまう。
「…へぇ〜〜〜。なぁるほどぉ…私の事、いつもそんな風に思ってくれてたんだぁ♪……」
…………
………
……
…
「イヤアアアァァッ!……姫様、許してぇぇーーー!」
〜〜〜〜〜〜
先程の断末魔は気にしないで頂きたい。
「…ん〜〜〜っ!さ、昨日のエルフの女性んトコに行きましょうか?」
自室のドアを閉めるなり、大きく伸びをしたルル。
…再度言おう。先程の断末魔は気にしないで頂きたい。