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中出し帝国
官能リレー小説 - ファンタジー系

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中出し帝国 28



「いつもだ。いつもいつも『折角だからついでにイリスも犯そうか』とか、『一緒にいるからついでにヤろう』とか、『ついでだから』とかそんなんばっかり!いつも私は『ついで』なんだ!?誰も私の体目当てでヤッてくれる人がいない!…うっ、ぐすっ。……う、うわああああぁぁぁん!」

イリスは駆け出す。
堪忍袋の緒が切れてしまったかのように泣き出し、一目散に走り続けた。




「…う…ヒック…えぐっ。」
イリスは赤く目を腫らして、ただただ透明の雫をこぼしていた。この心情は、今に始まったことではないのだが、原因はレーセであった。
しかし、レーセがイリスに何かを作為的にしたという意味ではない。居合わせた時間帯と場所が問題だったのだ。
接合令が実施されている時に、メイドという同じ職階の仲間であった為、男共にヤられるタイミングがどうしても同じになってしまうのだ。

しかも、ただでさえレーセは男共の標的となりやすい。レーセ目当てでヤりに来た複数の男のうち誰かしらは必ずあぶれてしまう。
それで、他に犯す相手はいないものか詮索したところ、イリスに順番が回ってくるのだ。

その際、
「他の奴にレーセを取られて仕方ないから代わりにイリスを犯そう」や、「まだ溜まってるから、とりあえずまだ誰にもヤられてないイリスを犯そうか」等と、幼児体型が災いしてしまい、本人の希望とは裏腹に、あくまでついでと言った扱いだったのだ。


自分目掛けてヤりにくるのならまだしも、あくまで『余り者』なのだ。

今、城を飛び出したイリスには、ただ空虚な月夜が迎えるのみだった。

(えぐっ…うぅ…酷いよ!酷いよ!レーセは特にだけど、男達もそうだっ!……どうせ…あたしのような女の子はどうせ余り物なんだよっ!…うえぇぇっ!)

「うわあぁぁぁん!」

城門近くの塀に背中を預けたイリス。
せめて交わるのなら、自分(の身体)を気にかけてくれた人にしてもらいたいと、ずっとずっと思い描いていたが、性根尽き果ててしまったらしい。
そんなイリスに、暗闇から近付く人影があった。

「どうかなされましたか、イリス殿」

 突如暗闇から呼ぶ声に、イリスはハッとして振り向いた。
雫となった涙が弾け、泣き張らした顔を伝う。
イリスに声を掛けたのは、城門の門番だった。
門番はまだ若く、見て呉れも意外に悪くない。

いかに接合令とは言え、城の守衛が手薄という訳にはいかない。
故に、交代制はあるものの、城門の衛兵は接合令中も守衛にあたる事になっていた。
恐らくは、この若い門番も接合令にありつく事が出来なかったのであろう。

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