PiPi's World 投稿小説

中出し帝国
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 22
 24
の最後へ

中出し帝国 24

なるたけ気を配ったルル。
コンマ単位の時間とはいえ、人間の臓器や首が飛ばされる瞬間さえ見たのだ。
肉体的には大丈夫でも、精神的に不安定に陥ってしまっていてもおかしくはない。さらに、そんな精神状態で犯されてはボロボロになっても仕方がないからだ。
しかし、シエラは軽く首を横に振る。

「いや、地位を剥奪されたとはいえ、これでも私は武士の一人だ。そのような気遣いなど無用。それに、『郷に入りては郷に従え』という諺もあるし、私だけがのうのうと布団で寝ている訳にもいかないだろう?」

 シエラが言い終わるや否や、ドアが開かれ、部屋中に異様な空気が立ち込める。
それは、噎せ返るようなスペルマ臭……欲望剥き出しの、雄の匂いだった。
獲物を狙う男達が、群がるように部屋へ侵入してくる。

「ほう、これはこれは。姫様に獣人の娘か……願ってもない」

 ファウストの兵士と思しき屈強な男が、下賎な笑みを見せながら言った。
美しい獲物を目の前にして、食い気を見せぬ雄は居ない。
ルルとシエラの一糸纏わぬ淫らな肢体に、男達は無意識に唾を飲んだ。

4、5人は居るだろうか。ルルはさすがに不味いと思い、シエラを庇おうとする。
するとシエラはズイッと前に出て、男達を追い払おうとするルルを制した。

「ルル殿は自室へお戻りになられる。貴殿達は、私がお相手仕ろう」

 シエラは凛と言い放つと、ルルに被せられた布切れを取り払い、男達の前に立ち塞がった。

「ちょ、ちょっとアンタ……本気で言ってんの?」 

 ルルはシエラの肩を掴み、翻意を促す。が、シエラは頑として譲らない。

「私は、そこまでヤワではありませぬ。ご心配なさらぬよう……」

 不適に笑うシエラを、屈強な男が抱きすくめた。
そのままシエラは唇を奪われ、屈強な男に口腔内を蹂躙される。

「良い女だ……獣人は久しぶりだし、楽しめそうだ」

「んっ……ふっ……はぁ、貴殿こそ私を、んふぅ、落胆させるなよ」

 男達は、気丈に振る舞うシエラの様子などお構い無しに群がる。
ある者は形の良い胸を、ある者は良く締まった尻を。
男達の手が、所狭しとシエラの肢体を這い回る。

ルルはシエラの意思を尊重し、絡み合う肉体の脇を抜けるように部屋を後にした。

「……頑張りなさいね、シエラ」

 去り際、ルルは一言だけ呟く。ああいう手合いには、要らぬ気遣いは無用のようだ。
下手に手助けした所で、次は自分の番も待っている。
肉欲の限りが尽くされる、この過酷な『接合令』である。
当然、体力は少しでも温存しておきたい。
ルルは惜し気もなくその裸体を晒し、自室への道を行く。

と、大きな客間の前で、ルルはまたしても珍しい種族を目にした。
透き通るような白い肌、深緑を思わせるツーサイドアップの長髪、そして瞳。
まるで精霊のように美しい容姿に、何よりその長く尖った耳。エルフである。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す