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ダンジョン王の日記
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ダンジョン王の日記 9

まぁ苦労の甲斐あって、今後治水関係で悩む事も無く、生活用水を始め地下菜園への給水も可能となった。

しかしあの長老達の『戦とあらば…』が気になった。

ワーウルフ達はポチごと支配下に置いた。
ボストロールは、私の魔剣技に倒れトロール達も同様となった。

そう、私は左手で太刀の切っ先をしならせたタイガーアイの構えから…。

(ページに血の染み)

兎も角『長老』という位置付けがクサいのだ。

手元の資料から抜粋すると…獣基準の生活を営むタイプの魔族社会で、人間並みかそれ以上の知恵を持つ老個体。
部族の最前線で戦う王の参謀にして、里に残って生活基盤の管理を行う立場。

おとぎ話の王様と大臣が如く…つまりどこか胡散臭いNo.2である。

妙に気取った口上、愛人まがいの雌ワーウルフまで贈ってくる姿勢が正にそれである。

しかし所詮は獣の知恵、人間の真似事に過ぎん。
海水の芋荒いで塩味を覚えた猿、乗合馬車に木の実を割らせる烏。

子供騙しの策謀ゴッコ、精々足掻くが良い…。

追記・今、私が掌に載せている水晶球に映る配下は、そんな謀略とは無縁と思われた。

里の繁栄が為と最前線に送られる不器用な奴が、流れ流れて私の下僕として働いている。

山積みの古びた青銅鎧、鍋や釘など生活用品として新たに鋳造するタタラ場。
汗みずくのトロール達が無数の細かい火脹れを作りながら砂型に鋳溶かした青銅を流し込む。
そして酒で喉を潤すや汗を拭い、新たな作業へと取り掛った。

広場はワーウルフ達の訓練場となっていた。
恐らく年少者だろうひときわ小柄な個体が叱咤激励の中、先輩ワーウルフに叩きのめされていた。
しかし涙に濡れた牙を剥き、いまだ闘志の雄叫びを上げる。

そして私は短い呪詛を唱えて水晶球の映像を消し、掌に転がすよう玩んだ。

コイツらも人間の真似事に、変わりはないか?
それこそこの掌に踊る我が忠実なる下僕共、精々足掻くが良い。

…少しは夢を見せてやろうぞ…

6月11日・晴天
魔法陣の中央で完成した『彼女』は眠りについていた。

私が作ったスケルトン暗黒兵の中でも特に高性能な個体、それも女性体をベース素材に選んだ。

生体を維持させる為にアンデッドだけでなく、ゴーレムやホムンクルス精製の技術までも加えた肉体。
アンデッド側のスペックを向上させてノスフェラトゥ(いわゆる腐らないゾンビ)化の方が簡単だったのだが…流石の私もゾンビの類とエッチする程の特攻野郎じゃないのだ。

難点は生前の状態を継承してしまったであろう、細身に引き締まったマッシブ体型。

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