PiPi's World 投稿小説

ダンジョン王の日記
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 58
 60
の最後へ

ダンジョン王の日記 60

713年1月19日 雨
ありえねえ。ヴァルキューレの奴、生身に戻った瞬間私に即死呪文をぶっ放して来やがった。
敵一体を三分の二の確率で絶命させる死の呪い。運が悪ければ今頃私はオダブツだった。
思い出すだけで心臓バクバクである。
どうやら、人間の部下にされたことは彼女にとって余程腹に据えかねることだったらしい。
魔物としてのプライドというやつだろうか。何にせよ、私を一撃で殺せなかったのは彼女の失態だった。
即死呪文から生還した私にヴァルキューレは泉に蹴り落とされ、そのまま呪文で石に逆戻りである。
私の命を狙ったことは万死に値する重罪だ。
本来なら八つ裂きにして処刑だが、カジノの花形でもあることだし、懲役刑で勘弁してやろう。
私は動かぬ石像となった彼女を石化トラップの部屋に運ぶと、罰として感覚撹乱の魔法をかけてやった。
この魔法に掛かった者は、一秒を一日分の長さに感じてしまうのである。
つまり、今のヴァルキューレにとって一時間は3600日分の長さであり、一日は二百年相当の長さに感じられるというわけだ。
反省して私の部下になることを心から誓うまで、ヴァルキューレはこのままこの部屋に放置である。
数百年をかけてこってり反省し、そして改心するがいい。



713年1月28日 雨
役人がカジノへ徴税にやってきた。その横柄な態度に少しムッとする。
覚悟はしていたものの、やはり賭博業に掛けられる税金べらぼうに高い。
お蔭様で今月のカジノの収支は赤字確定だ。
いっそ脱税でもしてやりたいが、脱税の捜査でダンジョンへの隠し通路がばれたりしたら大惨事である。
少ししゃくだが、清く正しく税を納めてやるとしよう。

追記・納めた金貨をひったくるように持ち去る役人が不愉快だった。
追記・税金を安く済ませたい。貴族や王族にワイロを送って賭博税引き下げを頼んでみようか



713年1月30日 雪
今日は静かに雪が降っている。
国法書を元に再計算して、賭博税の高額ぶりの理由を考えてみた。
どう考えてもカジノ部分の税額も闘技場の税額も意図的に過大に計算されているとしか思えない。
ニナを小娘と侮ってふんだくろうとしたのだろう。
調べ上げて不当課税の証拠を見つけたら、あの小役人どもめ・・・・・・。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す