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ダンジョン王の日記
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ダンジョン王の日記 54

712年11月8日 晴れ
ドワーフが遺跡に秘密の抜け道を作った。
人間に気付かれず遺跡を出入りするためのもので、泉と山の中腹を繋いでいる。
さっそく何体かのドワーフが、抜け道を使って鉱脈を探しに山の外へ出掛けていった。
冷静になってみれば、宿場町の裏山で貴金属の鉱脈を見つけようという考え自体どうかしている。
鉱脈探しは外の山まで遠出したドワーフ達に任せ、私は気長に待つとしよう

追記・最近ニナが毎日町へ出掛けている
旅芸人の一座が興行に来ていて、それにすっかりご執心のようだ。今度私も見に行ってみよう。

712年11月10日 晴れ/曇り
今日はニナと旅芸人のショーを見に行った。
ニナはショーを大いに楽しんでいるようだったが、私の方はそれほど面白くはなかった。
一座の芸は魔法をタネにしたものが中心で、魔法使いの私からみれば子供騙しもいいところだったのである。
ただ、一つ興味深い出し物があった。魔物使いによる魔物同士の決闘だ。
決闘といってもフリだけで、実際に登場した魔物達は傷一つ追っていない。
ただ、魔物同士を闘わせる見世物というのは私も初見のものだった。
物珍しさに感心すると同時、これは商売になるかもしれないと考え付く。
魔物を集め、戦わせ、それを人に見せて金を取るのである。
闘鶏のようにどちらの魔物が勝つか賭博させても盛り上がるだろう。
何より、この方法なら合法的に怪しまれず魔物を集めることが出来る。
丁度なんとかして活動資金を増やさねばと思っていたところであるし、ここいらで商売を始めるのもいいかもしれない。考えておこう。


712年11月15日
色々考えた結果、魔物同士の闘いを目玉にしたカジノをつくることにした。
指名手配されている私が経営者になるのはリスキーなので、表向きにはリナをカジノのオーナーということにする。
『ダンジョンに隠された金塊を手に入れた若き冒険者』。これがニナに名乗ってもらう肩書だ。
といっても、実際に動くのは私なのでこれから忙しくなるだろう。
なにせ、カジノを建てる土地を買ったり役所と手続きしたりと、やることは山積みなのだから。

追記・ドワーフ達にカジノ設営資金捻出のため一定期間の禁酒命じた。


712年11月16日 雨
禁酒を命じたせいで一部のドワーフが暴動を起こした。
人の金で飲み食いしている分際で太い奴らだ。少しは私の懐も考えろ。
ドワーフの大半は私に協力的なのですぐに暴動は収まったが、なんにせよ面倒な話である。
とりあえず暴動を起こしたドワーフには禁酒続行。他のドワーフ達は節約を心掛ければ飲酒してもよいとした。
飴と鞭というやつである。これでもう私に逆らおうと思う奴はいまい。

追記・暴動のドサクサで役所に提出する書類が破かれてしまった。
せっかく奇麗な字で丁寧に書いたのに。残念である。

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