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ダンジョン王の日記
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ダンジョン王の日記 53

このままのペースでは後、3ヵ月程で破産してしまいそうである。どうしたものか……

奴らは非常に明るい性格で、一緒に飲んでいて楽しいが、一々買い出しに行く店にこの国の王が酒池肉林をつくる為とか適当な嘘をつく身にもなってもらいたい
実際、この国の王はバカ王で国も腐敗してきている為バレてはないが……。

712年11月4日 ハリケーン
やや季節外れの暴風雨がやってきた。
おそらくあと2日ほどこの嵐は続くだろう。
ドワーフたちの酒食予算で頭が痛いのに悪天候とは気が滅入る。
ハリケーンのせいで明後日分の酒の手配が付かないのだ。
そこで、ドワーフたちを集めて、「新しい鉱脈、それも高く売れるような貴金属や、高価な道具の材料になるような・・・つまり儲けになるような鉱石を探せ!今日からだ!」と檄を飛ばした。
「おおーう!!」
幸いドワーフたちは話に乗ってくれたようで、今日からあちこちで穴を掘る音がする。

騒音対策として、遺跡の要所に防音魔法をかけておくことにした。

追記・ドワーフ達は元々姫将軍の国にある鉱山で暮らしていたらしい。
そこを冒険者達に攻略され、住み処を追われ、新天地を求め南隣にあるこの国までやってきたという。
ドワーフを呼ぶ鎚音は渡りに船だったわけだ。
それにしても、穴さえ掘っていれば満足する無害なドワーフを追い出すとは妙な話だ。
ちょっと詳しく調べてみたい。


712年11月6日 晴れ
面白い話を耳にした。姫将軍が治める帝国が、大規模軍縮政策を実施しているらしい。

そして姫は軍縮して作った金を、施しとして貧民へばらまいているとのこと。
これだけなら姫将軍が貧しい民を救ったという美談にしかならないが、面白いのはここからだ。
急な軍縮政策によって、大勢の兵士や傭兵が職を失うことになってしまったのである。
失業した兵達の多くは冒険者に転職し、魔物退治に励んでいるとのこと。
そうして増えすぎた冒険者達は、報奨金目当てに先を争って帝国内のダンジョンを次々攻略しまくっているという。
ドワーフ達が鉱山から追い出されたのも、その一端だったわけである。

思うに、これは後々帝国にとっての害となるはずだ。
魔物の全体数というものは滅多なことでは激減しない。なのに、帝国の冒険者達はダンジョンという魔物の巣を今も急速に減らし続けている。
このままいくと、住み処を失った魔物達はいずれ人里に流れ込んで人間狩りを起こしてしまうだろう。
軍縮して小さくなった軍で民衆を守り抜くのは、いかに姫将軍といえど難しいはずだ。
そういう事態が実際に起きるのはまだまだずっとずっと先の話だろうが、その時帝国がどうなるか見物である。
今から楽しみというものだ。


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