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ダンジョン王の日記
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ダンジョン王の日記 6

712年5月28日 雨
なんと盗賊に負けた。自分の鈍りっぷりにショックを受ける。
背後を野生のスライムに守らせていたのがまずかったのだろう。死に物狂いで反撃してきた盗賊の頭に、うっかり背中を切り付けられてしまった。
ポチの活躍で盗賊の撃退には成功したものの、大将の私が大怪我で戦闘不能になったのだから笑えない。
魔物達に持て囃され、少し調子に乗っていたのかもしれない。命は一つしかないのだ。もっと慎重にならねばなるまい。


712年5月29日 曇り/小雨
一昨日の戦闘で生き延びた盗賊達をワーウルフ達が引っ捕らえてきた。臭いを追跡して捕獲したらしい。
さっそく盗賊達の脳から私に役立ちそうな情報を取り出すことにする。
引き出した情報によると、トロルが強奪品を洞窟に運び込むのが度々目撃され、私のダンジョンはこの近隣でちょっとした噂になっているようだ。
これからは強奪目的の冒険者や盗賊に度々強襲されることになるのだろう。早急に戦力を増強させねばなるまい。
何せ私の首には、城が買えるほどの賞金がかけられているのである。洞窟の奥に隠された財宝とは、他でもない私の命そのものなのだ。
追記・姫将軍の情報を探ってみると、小娘が王位を継承して国王になっていたことが分かった。忌ま忌ましい。

712年5月30日 雨
梅雨でもないのに雨が続く。洪水になるかもしれない。明日の内に洞窟を防水加工しておこう。
今日はこの辺りに強い魔物はいないかとポチに尋ねてみた。弱い魔物を増やすより、強い魔物を配置した方が防衛力強化に役立つからだ。
ポチ曰く、この辺りで一番強いのは泉の側で暮らすエルフ達だという。素晴らしい。小躍りしたくなった。エルフはこの世で最も見つけにくい魔物の一種なのだ。
強大な魔力、人間を上回るという知能、不老不死の体。女しかおらず、その全員が絶世の美女というのも魅力的だ。
数が極端に少ない魔物のため見つけるのが非常に困難なのだが、住家が分かっているならこちらのもの。
私はさっそく、美しいエルフを配下に加える準備を始めることにした。

712年6月2日 雨
私の心はこの長雨の如く暗く沈んでいる。
何故ならこの三日間エルフ大量捕獲の作戦を立ておうにも良い案が浮かばない。
それは一にも二にも戦力が不足しているのだ。
何せエルフの魔力は一撃で下級魔族数十匹を倒す威力。
更に知力が高い事で我々の作戦もより高度な作戦を必要とし使える戦力は私とポチ位しか居ないのだ。
せめて後四・五人使える戦士が居てくれてたら…
ってこれでは堂々巡りではないか…

あぁ今日も憂鬱だ…

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