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ダンジョン王の日記
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ダンジョン王の日記 50

こんな日に限って浮浪者はいなかったが、代わりに自称自警団の少年達を見つけた。
私が剣を教えてやったリーダーは不在。
丁度いいので、彼等を魔具の被験体にすることにした。
そういうわけで鮮やかに拉致監禁。目撃者はゼロ。我ながら見事な誘拐劇だった。

追記・ドワーフが魔具のコツが分かったとはしゃいでいた。
そしてどこにも見当たらない少年達の姿。ドワーフに聞くと、使い終わったので処分したという。
流石は頑固職人ドワーフ。仕事のためならば、瑣事など歯牙にもかけない様子である。
なんて恐ろしいチビ髭親父だ。

712年10月10日
鍛冶部屋からの騒音が聞こえなくなった。
鍛冶部屋を覗きに行ってみたが、ドワーフ達にサボっている様子はない。
音が出る作業は終わったということだろうか?何にせよ、静かになったのは良いことだ。
これでようやく町の安宿の固いベッドとおさらばできる。
私の部屋のベッドはフカフカの高級品。今夜は良い夢が見れそうである。

712年10月13日 曇り時々雨
ドワーフが魔人を操る魔具をついに完成させた。魔具は黒い金属製の首輪で、対象者の首に嵌めて使うとのこと。
曰く、ドワーフ渾身の自信作らしい。

なるほど、確かに魔具からは、ちょっと引くほどの毒々しい魔力が放たれている。
これなら魔人相手でもそれなりの効果が期待できるかもしれない。
さっそく魔法陣を敷き、その上に魔具を置いた。魔法陣の効果はアイテムを転送し対象者に直接装備させること。
画して魔具は魔人の首に転送され、氷付けのまま魔人に黒い首輪が嵌められた。
このまま二、三日経っても魔具が壊れなければ魔人の支配は成功、魔人は私の物になる。
どうか魔具が壊れませんように。気付けばドワーフと三人で、手を合わせながら魔人に祈っていた。



712年10月20日 雨/晴れ
魔人に魔具を装着してから一週間。魔具が壊れた様子はない。大丈夫そうである。
意を決して魔人を遺跡の外へ運びだし、丸一日かけて魔人の封印を解いた。
氷が溶けるとすぐに目覚めて起き上がる魔人。魔人にビビって木の影まで逃げる私。
しかしドワーフ達に背中を押され、無理矢理魔人の前に押し出されてしまった。
心の準備がまだ出来ていなかったのに、本当に酷い連中である。
おまけに自由の身となった魔人は威風堂々としていて、とても魔具で奴隷にされているようには見えなかった。
まさか魔具が効いていないのだろうか。冷や汗が浮かぶ。しかし、
『おはようございます。主様』
開口一番、魔人は頭を下げながら私のことを主と呼んだ。嬉しそうに背後でハイタッチするドワーフ達。
一方の魔人は、自分の口から出た言葉が信じられないかのように呆然としていた。
念のために、服を脱げ、四つん這いになれ、ワンと鳴けといくつか命令を出してみる。
魔人は屈辱で唇を噛みながらも、私に命じられた通りの行動をとった。
その表情を見るに、魔具は魔人の心までは支配できていないらしい。

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