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ダンジョン王の日記
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ダンジョン王の日記 44

712年9月5日

扉を慎重に開けさせ、その奥に進むとそこはまるで王の謁見場のような所に出た。
暗いのは暗いのだが、そこらは今までと違って埃っぽくなかった
ニナに聞いてみても、ここはつい最近に掃除をされた跡があると言う答えが帰ってきた。
私は細心の注意を払って歩を進めるが、奥には玉座以外の何もなかった。

追記
ここには必ず何かがある
私は予感めいた確信を抱いてニナに辺りを探らせる
結局、今日の所は何も見つからなかった。



712年9月6日
玉座の間を掃除している何者かを待ち伏せすることにした。
退屈と闘うこと半日、ようやく部屋の壁がスライドし、隠し通路が現れる。程なくして、隠し通路から女の石像が現れた。
石像は魔法で動いている人形らしい。私達が声をかけても反応せず、部屋の掃除を黙々とこなした後隠し通路へ帰ってしまった。
その後を追おうとするが、壁が動いてすぐに通路が閉ざされてしまう。どうやら、石像が掃除をしている間に通路へ侵入しなければならないようだ。
追記・石像は、この遺跡を維持保存するための装置の一つのようである。



712年9月7日
石像が掃除している隙に隠し通路を進んだ。
やがて広間のような部屋に辿り着く。そこには女物の服が何着も散らばっていた。
盗掘者や冒険者の遺留品には見えない。貧しい村人が着ていそうな、ツギハギだらけの安い服ばかりである。
試しにその服を手にとってみると、ボロボロと砂のようになって崩れていってしまった。なにこれ怖い。
更にその奥へと進むと、今度は床が白骨死体で埋めつくされた狭い通路が現れた。なにこれ超怖い。
見た所、通路を埋める白骨死体は軍隊の兵士達のようである。


大方近隣の村の娘達が魔物か何かに遺跡へさらわれ、それを助けるために軍隊がこのダンジョンへ攻め込み、そしてここで全滅したのだろう。
軍隊を壊滅させるとは、一体どんな化け物がこの遺跡に巣くっていたのだろう。本気で怖くなってきた。


712年9月8日
ダンジョン最奥らしき部屋の前まで来た。立ち塞がるは巨大で豪奢な扉。
盗賊のニナ曰く、扉の向こうからお宝の臭いがするという。
私が部屋の中を魔法で扉越しにサーチしてみると、魔物が中にいるという反応が出た。


それはつまり、まだ生きているというわけか。数百年前軍隊を返り討ちにした化け物が、まだこの扉の向こうで元気に暮らしていると。

私は扉の鍵を開け始めたニナの首根っこを掴み、回れ右をして一端扉からはなれた。
決してビビったわけではない。ボス戦の前に休憩を挟んで体制を整えるのは冒険の鉄則だ。
日記の字が若干震えているのも、断じてビビっているからではない。これは単なる武者震いだ。ちっとも怖くなんかない。



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