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ダンジョン王の日記
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ダンジョン王の日記 43


712年9月3日 快晴
本日ついに閉ざされた隠し扉をくぐり、古代遺跡の奥へニナと共に侵入した。
今までの階層より遥かに凶悪なトラップ群に苦戦する。しかし『盗賊の心得』を装備したニナの活躍で、なんとか罠に嵌まらずに済んだ。
私一人では罠を避け切れず、入口付近で大怪我をしていたかも分からない。ニナの活躍を褒め讃えつつ、二人でダンジョンをサクサク進んでいった。

隠し扉が開いて以降、ニナはすっかり私に懐いている。

なんでも、ニナは大人に褒められた経験が一度もなかったらしい。そしてその反動で、昨日私に頭を撫でられたことに感激してしまったようなのだ。
もっと私に褒めて貰おうと健気に頑張る姿は、見ていて何とも微笑ましかった。
追記・このダンジョン、なんでか知らんが闇属性の私と信じられない程相性がいい。
隠し扉をくぐった瞬間、私の全身に力が漲ったのである。どうやらダンジョン内部に大量の無念怨念が渦巻いているようだ。一体この奥に何があるのだろう。


712年9月4日 遺跡にいたので天気が分からなかった。
ダンジョン探索二日目。下へ下へと遺跡を下りていく内、白骨死体をいくつも見かけるようになった。
白骨は、最低でも死後三百年は経過している。中には千年以上昔の人骨もあった。まず間違いなく、無念怨念の発生源はこの死人達だろう。
察するに、このダンジョンを囲っている結界は、遺跡完成後相当経ってから張られた物なのだ。
つまり、この遺跡は完成してから千年以上に渡り盗掘者や冒険者に荒らされ続けたのである。

しかし三百年程前に何かが起こり、誰かが遺跡を結界で侵入不可能なものにしたのだ。
あるいは逆に、遺跡の中にいた何かを外に出さないよう結界で閉じ込めたのか。
一体、このダンジョンで何があったのだろうか?ちょっと怖くなってきた。

追記・ニナが頭骸骨をボール代わりにして相棒の魔犬オルトロスと遊んでいた。
盗賊をしていただけあって、善悪の区別や罪悪感が世間からズレているようである。
実に奇遇だ。私もその辺がズレまくっている。というか、私に言わせれば寧ろ世間の価値観のほうが狂っているのだけれども。

追記・日記を閉じようとすると、
「大きな扉をみつけた!」
とニナが走ってやってきた。とりあえずその扉の前まで行ってみる。
「罠かもしれんから、気を付けて開けろ。」
「はい!!」
私が命ずると、ニナは慎重にドアを開け始めた。重厚で複雑な扉なようだ。開くのには時間がかかりそうである。

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