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ダンジョン王の日記
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ダンジョン王の日記 34

不意に風が吹き、砂が舞って一瞬お互いの姿が見えなくなる。それを合図にお互いが動き出した
勝負は一瞬でついた。刹那の攻防を制し、紙一重の差でハンニバルの剣が先にガジルの胸を突き刺したのだった。
一瞬遅れて降り下ろされた聖剣からほとばしる紅い閃光は、この勝負がまさに一瞬が勝敗を分けたと感じさせるには充分過ぎた。



私はガジルを倒し、聖剣を奪うと、この日初めての安堵の表情を見せる。あの魔法使いは妨害の魔法で私に位置を掴ませないので殺しに行けないのがとても残念だが、やっと余裕が出来た私はあれこれと今後の事を思案する

ここら辺では私の顔が割れてしまった。それは犯罪人である私にとって旅立ちの合図と等しかった。
今までコツコツと築き上げてきたダンジョンを手放し、新天地へ旅立たなければならないと考えると、かなり寂しさを感じたが、自分の身の安全には変えられない
そう結論付けた私は、とりあえず洞窟へと帰って行くのだった


712年8月18日
あれから3日が経った。
あの後私は配下の魔物達にここを出て行く事を伝えた。当然、全員を連れて放浪する事は不可能である事から
配下の魔物達を置いていく旨を伝えると、一同がみんながっかりとしていた。

あの後のシェルリエは3日3晩暴れつくし、ラルク王国をグチャグチャに潰し回った後この洞窟へと帰ってきた。
人間形態に戻れるらしく、全裸で私に抱きついて私の胸で泣いているシェルリエの頭を撫でてやり
私の部屋のベッドへと押し倒した。
そういえばシェルリエを優しく抱いてやるのは初めてだなと思いつつ
優しく、丁寧に、そして悲しみを慰めるような濃厚なセッ〇スをした。
シェルリエに選別代わりに奴から奪った聖剣をプレゼントし、私は今洞窟の入り口にと立っている
手にはエルフの石を握り、長い詠唱をして、禁呪を発動する

この禁呪は呪い対象を隠し、迷いの森を人工的に造り出す魔法なのである
洞窟の入り口を中心に緑が広がり、たちまち樹齢1000年を超えそうな程の巨大な樹が次々と生えてきて、洞窟を隠し、人の侵入を拒む巨大な森となった。

このまま私が出て行ったとしても入り口が分かり易い位置にある洞窟は人を容易に近づけ
その内中の配下達が全滅してしまうだろう
ならばせめてもの安心を提供する為に洞窟ごと隠す。それが私に出来るせめてもの手向けだろう

そして私は再び新天地を目指して洞窟を後にした。しかし今回は全てを失った訳ではない
なぜなら私が望めばすぐにでも洞窟へと定点転移も出来るし、掛け替えのない仲間がいるのだ
こうして私は打倒姫将軍を目指して旅だったのだった


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