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ダンジョン王の日記
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ダンジョン王の日記 30

そこに私は距離を詰め、離さないように滅多切りにする。射程延長タイプの魔法剣の一番の特徴は破壊力のある斬撃が剣の間合いを超えて襲ってくるところだ。
こうやって間合いを詰めていけば、その魔法剣はただの滅茶苦茶キレ味の良い剣となる
そして、私の剣は例え魔法剣の一撃を受けたとしても無傷な程の強度を誇り、私の近接格闘の足りない技術は魔法で補える。
そうやってガジルと紙一重の戦いを繰り広げていった。

しかし勝負は突然に終わってしまう、私は私に向かってくる魔法の気配を感じ、私は後方に大きく飛び退いた
魔法使いが私に魔法を放ったのだ。魔法陣が完成したらしい、ガジルはその隙に牢の中へと入り、魔法使い、シェルリエと共に光の彼方へと消えていった………

逃げられてしまった。その言葉が私の体に重くのし掛かった。
私が言葉にし難い空虚感に打ちひしがれていると、仲間の手当てが終わったエルフ達がその報告をしに次々と現れた。
何人も死亡者が出て、全体の3割が死に、後の5割も何らかの傷で戦闘不能になったそうだ。

特にスケルトンの消耗が激しく、かなりの数が消滅し、あの暗黒兵さえもダメージで立てないらしい

想像以上の被害に私は頭を抱え込む。しかし何故?奴らは私の正確な場所を知り、最小限の犠牲で精鋭部隊を寄越す事が出来たのか……?その答えを私は直ぐに知ることになる……

私の周りにぞろぞろとトロルやワーウルフが集まり私を取り囲んだ。
その中の一番老いた個体…長老たちがつかつかと私の前に来て、ふごふごと話かけてくる。

それを翻訳し、やたら長い文句を省略すると「裏切ってやったぞ」と言った所か…
実際話半分に聞いていたが、どうやら今回の襲撃はこいつらのタレコミがあったかららしい。

思えば、この地帯はトロルやワーウルフの生息地で、一言にトロルと括っても様々な群れがある
その中で誰とも解らん流れ者がふらりと洞窟を改造し、住みやすくしたのなら奪いたいと思うのも仕方のない事かも知れない

実際に群れのボスを倒されて私に従っているこの洞窟のモンスター達とは違って、奴らには私に従う義理は無いのだから……

だがな…おまえ等は決定的なミスを犯したのだ。決定的のな
それはこいつらが束になって襲ってきても私に勝ないことでも、奪った所で人間達に蹂躙され、満足のいく結果を得られないかも知れない事でもない
こいつらは私の仲間達を傷つけたのだ。そういった者の末路はこの洞窟を知っているのなら知っているのだろう?
裏切り者は私が手を下すまでもなく制裁されてしまうのが世の常なのだ


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