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ダンジョン王の日記
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ダンジョン王の日記 22

712年7月15日 晴れ
エルフの花の水晶からチビエルフという魔物が生まれた。トンガリ耳を持つ、幼い女児の姿をした魔物である。
あまり強くはないが、すばしっこいのでなかなか攻撃が当たらず、おまけに毒や麻痺の矢を射ってくる厄介な魔物だ。
花から魔物が生まれるのは久しぶりのことだそうで、エルフ達は大喜びで新たな同族を歓迎していた。
はんにばるのおじちゃんがまほーであたしをたかいたかいしてくれた。おじちゃんだいすき

追記・悪戯好きのチビエルフに日記を落書きされた。魔法ペンで書かれたので消せない。なんてこったい。

712年7月16日
シェルリエ嬢の様子を見に行ってみると、その腹は妊婦のように膨らんでいた。
腹に仕込んだ魔物の卵は順調に育っているようだ。早ければ明日、遅くとも二週間後には出産ないし産卵に至るだろう。
気づかぬ内に魔物の母胎にされたシェルリエ嬢は、真っ青な顔で自分のボテ腹を眺めていた。
シェルリエはまだ自分が妊娠したという現実が受け入れられないようである。こういう時は下手に刺激しない方がいいだろう。
私はシェルリエに気付かれないように牢屋を後にした。


712年7月17日 晴れ
トロルとワーウルフが『兵隊トロル』と『狼戦士』にランクアップした。
工事や農耕を通じ道具や武器の使い方を教えた成果である。鎧と槍を装備した狼戦士は、中々勇壮である。
チビエルフに髭を三つ編みにされた兵隊トロルは、中々シュールであった。

追記・エルフ達が最近ダンジョンに花を植えて遊んでいる。
実害はないのだが、悪の魔術師の隠れ家にお花畑が広がっているというのはどうなのだろうか。
私の疑問をよそに、エルフ達は今日もせっせと私のダンジョンをファンシーに改装していた。
712年7月18日 曇り
今日はダンジョンの現状を整理確認した。
まず序盤。ここは洞窟そのままだ。出てくる魔物もスライムやドクトルパイソンなど下級なものばかり。
しかし進んでいくと、所々洞窟が人工的に手を加えられていることに気づく。ポチが管理する中盤だ。
出てくる魔物も兵隊トロル、狼戦士、チビエルフとそこそこ手強い者達である。
更に進み、エルフが過ごしやすいよう調整した階層を抜けると、風景は一変する。
人工物にしか見えない、巨大な地下神殿のような場所に到着する。そここそがダンジョン最深部だ。

出現する魔物もスケルトン暗黒兵とエルフだからレベルが高い。
そしてその更に奥へと進むと、中ボスの暗黒兵とエルフの女王が門番を務める扉がある。その扉の中にはダンジョンの王たる私が待ち構える。

大分ダンジョンらしくなってきたと思う。ダンジョンとして中堅クラスの攻略難易度には到達したはずだ。
攻略難易度を最高クラスにまで押し上げるだけの戦力が揃えば、国軍ともやり方次第でそれなりに戦えるはずである。
先はまだまだ長いが三、四ヶ月でここまでのダンジョンを作り上げた快挙、流石私と褒めておこう。



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