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ダンジョン王の日記
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ダンジョン王の日記 12

712年6月20日 曇り
風邪をひいた。頭痛が痛い。
夜なべで逆てるてる坊主を作ったのがまずかったのだろうか。具合が悪いので今日はもう寝る。

追記・夜なべして作ったてるてる坊主が冒険者達にむしり取られた。ちきしょう。


712年6月23日 晴れ/曇り
ようやく風邪が治った。看病してくれたポチとメイドウルフ、気張って侵入者を撃退していた暗黒兵に礼を言っておく。
だが今日も豪雨は来なかった。6月ももう下旬、そろそろ梅雨が明けてしまう。
神に祈る想いで、私は再び逆てるてる坊主を作ることにした。
今度のてるてる坊主は、むしり取ると風邪を引いてしまう呪いつきである。

追記・大勢の冒険者達が風邪をひいて洞窟から引き返して行った。ざまぁ(笑)

712年6月28日
今朝は雨音で目が覚めた。待ちに待った集中豪雨である。今も石つぶてのような雨粒が、洞窟の岩肌を強く叩いている。
こんな天気では冒険者も気力が萎えるらしく、今日は珍しく侵入者がゼロだ。ついでに昨日までに侵入していた冒険者は、私が朝一で一人残らず殺してしまった。

まさしく準備万端。これでダンジョンの全戦力をエルフ捕獲に注ぎ込むことができる。
この日記を書く筆を置いたなら、すぐにでも河を氾濫させに行くとしよう。
明日の日記には、エルフを捕獲した私の素晴らしい戦果が記されることになるだろう。


712年6月29日 快晴
エルフの女王から求婚された。訳が分からない。もう一度書こうと思う。
集落のエルフ達のボスである『エルフの女王』という美し過ぎる魔物から求婚された。やはり訳が分からない。
河を氾濫させ、エルフの結界を破り、エルフが激流に流されないよう用意した防水結界を展開してやる。
そこまでは計画通りだった。ところがボスを誘拐しようと集落に降り立つと、どうしてか恩人としてエルフ達に歓迎されてしまったのだ。
推理するに、エルフ達は私が善意から集落を洪水から救ったと勘違いしたらしい。
エルフ達は私を手厚く接待し、エルフの女王に至っては、何を血迷ったか私に結婚まで申し込んできた。
求婚への返事はしばらく待ってくれと言っておいたが、はてさてどうしたものだろう・・・

追記・間近で見るエルフは美しかった。その中でも抜きん出て美しい女王は、姫将軍クラスの超絶美人だった。
そんな美女からの求婚に咄嗟YESと答えなかった私の理性を、心の底から称賛したいと思う。



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