5大聖龍とその女達 99
そんな事など知らないエリア達は、すかさずアレスを追い、森の中へと消えて行った。
「やれやれ・・・まずは第一段階成功だな」
「ったく、余計な手間取らせやがって。オレは早くコイツをブチのめしたいんだよッ!!」
「わかっておる、では我らも行くぞッ!!」
「うおおぉぉぉぉッ!!!」
そして巨人との戦いが始まった。
一方のアレスはというと、ただひたすら森の中を走っていた。
エリア達を少しでも遠くへ誘導させるため、視界の悪い林道を走っているが、徐々に限界が迫っていた。
「くッ、こんな時に・・・」
アレスは先ほど巨人から受けた傷が再発してしまった。
それだけでなく、視界の悪い林道を走っているため、周りの木々が邪魔なのだ。
それを避けるために右へ左へ交わすが、そのために体力が段々奪われていってしまう。
そしてついに痛みと疲れに耐えきれず、アレスは近くにあった大木に身を隠した。
「はぁ・・・はあはあ・・・」
アレスは辺りを見渡すものの、周りは木々に囲まれ、現在地も分からない。
どの位走っただろうか、ラムサ達は大丈夫だろうか、エリア達をこっちへ誘導出来ただろうか、そんな事ばかりアレスは考えていた。
「あ!アレスちゃん、み〜っけ!!」
「!!」
アレスの前にはエリアとマリーが立っていた。
しかもアレスとは対象的にエリア達は全く疲れた表情をしていない。
これは巨人に洗脳されている関係で、全く疲れを感じていないのだ。
またエリア達の服装もさらに悲惨な事になっていた。
先ほどの服の残骸は綺麗さっぱり無くなり、全裸と化してしまった。
身に付けているものといえば、靴くらいだ。
恐らく、アレスを追っている内に、周りの木々の枝に引っかかり、破れていったのだろう。
「エリア、アレスいたのか?」
エリアの声に反応したマリーまでもが、アレスの元へとやって来た。
マリーもエリア同様、全裸である。
「へへっ、見つけたぜ、アレス」
「おい、二人とも目を覚ませ。お前らは敵に操られているんだ」
「はぁ?何言ってんだよ。あたしらが魔物なんかに操られる訳ねぇだろ?」
「そうよ。アレスちゃんたら、変なの」
やはり、言葉は通じないか。
分かってはいたが、他にどうすることもできなかった。
「なぁ、そんなことよりさアレス、あたしらの裸見て何も感じないわけ?」
「そうよ、アレスちゃんっ。
ほら、私たちはこんなにもアレスちゃんのことが大好きで仕方がないって言うのに・・・」
マリーに同意しながら、くぱぁっ・・・と濡れそばる淫唇を押し広げて見せるエリア。
2人に言われるまでもない。
アレスの股間では、さっきから不肖の息子が痛いくらいに主張している。
アレスはエリアたちから告白されてはいるものの、魔王を倒すという目的から返事を保留にし、関係を持たないようにしていた。