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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 93

彼女なら、たとえ自分が死ぬことになってもアレスを守ってくれる。
エリアはアレスたちを抱えて走り去る仲間の姿に、その意識をゆっくりと闇の底へと沈めていった。
遠くから聞こえるような、アレスの叫び声を心地よく感じながら。

――――

「ラムサッ!てめえ、いったいどういうつもりだッ!?」

それから数分後。
辛くもピンチを逃れたアレスは、命の恩人であるラムサの胸倉をつかんでいた。
今、アレスたちがいるのは、ボスらしき魔物から少し離れたところにあった獣道。
そこでラムサはアレスとウルゥの手当てをしていたのだった。
だがアレスは、追い詰められた手負いの獣さながらの様子でラムサにかみついていた。
エリアとマリーを見捨てたことを怒っているのだ。
あの状況では全員助けることなどできなかったと頭ではわかっていても、心が納得しなかった。
怒り狂うアレスに対し、ラムサはいたって冷静そのもの。
風を受け流す柳や竹のごとき心境で、アレスの怒声を受けていた。

「たわけ。あの場で全員助けることなどできはせん。
 おまえもそれを十分わかっているだろう?」
「うるせえッ!オレはあの時、1人でも何とか切り抜けられたんだっ!
 オレなんかよりエリアやマリーを助けてくれれば・・・っ!」
「自分が犠牲になれば他の者が喜ぶとでも思っているのか、この大たわけ。
 そんなくだらん美学など捨てて野犬にでも食わせてしまえ」
「ラムサ、てめえ・・・ッ!!」

ラムサの暴言に堪忍袋の緒が切れたアレスは1発ブン殴ってやろうと傷ついた身体で立ち上がる。
しかしそれより先にラムサはすばやく背後に回りこんで背中の傷をたたいてやった。

「〜〜〜〜ッ!?」

すさまじい激痛。アレスは悲鳴を上げることすらできず、その場にがっくりとひざをついた。

「ほれ見ろ。ケガ人はおとなしく治療されてろ。
 治ったらすぐにリベンジに行くんだからな」
「え?」

ラムサの思わぬ言葉にアレスはついマヌケな声を上げる。
その声がよほど気持ちよかったのか、ラムサはにんまりと意地の悪い笑みを浮かべた。

「何をほうけている?
 おまえは仲間を奪われ、下等な魔物ごときに敗北したままでいいのか?」
「そ、そんなことあるわけねえだろっ。でもオレとおまえの2人で勝てるのか?」

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