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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 92


思わず身体をよじって悶えるエリア。
突き立てられたツタはいとも簡単に弾かれ、エリアの身体から外れた。
もう用件は済んだということだ。

「あ・・・なたッ・・・!私に・・・何・・・をぉッ!?」

熱く火照る身体と高鳴る心臓に苦しみながら、エリアは何とかそれだけ口にする。
だが何をされたかなど考えるまでもなかった。
聞いたのはただの確認作業に過ぎない。
エリアは目の前の魔物に毒を入れられたのだ。
それもおそらく、マリーを操り人形とした類の。
魔物が返事をしないのが何よりの証拠だ。
直接体内に注入されたせいか、早くも意識が朦朧としてくる。
このままではいけない。そう思ったエリアは、解毒の魔法を使おうとすばやく魔力を練り始める。
しかし魔法を使おうにも意識が朦朧としていて、魔力をうまく集められない。
エリアがもたついている間にも、注入された毒はものすごいスピードでエリアを侵食していく。

(い・・・けないっ・・・!このままじゃ・・・私、も・・・!)

自分が自分でなくなっていく感覚に恐怖とおぞましさを感じながら必死に抵抗するエリア。
だがその抵抗も無駄なあがき。体内にもぐりこんだ悪魔は確実にエリアの肉体を奪いつつあった。

(い・・・やっ、このままじゃ・・・アレス・・・がっ!?)
「ま・・・りぃッ・・・!!」

短い悲鳴を何度も上げるエリアに、傷ついたアレスは名前を呼ぶことしかできない。
ラムサのいる試練の山にほぼ無傷で到達するほどの実力を持った男は、身体だけでなくその心も激しく打ちのめされていた。

(ちくしょう、ちくしょうちくしょうちくしょう―――!)

もはやこれまでか?アレスの心が折れかけたその時。
一筋の希望の光が彼の元に舞い降りた。

「ちょおっと待ったぁッ!?」
「「!?」」

突然上から声が聞こえたかと思うと、1つの影がモンスターたちのそばを通り過ぎた。
その影は満身創痍のアレスと、いまだ苦しみ続けるウルゥをさらって向こう側の木の枝に着地する。

「ようやく見つけた私の大事な夫!貴様らの好きにさせるわけにはいかんッ!」

ヒロインのピンチに駆けつけたヒーローよろしく、仲間たちを救ったのは。
大丈夫とか言いつつ真っ先にはぐれ。
1人で森で行動していたラムサその人であった。

「ラム・・・サ・・・!」

自分が失われていく中、エリアが浮かべたのは絶望ではなく。
この絶望的な状況を打開できるかもしれない人物への期待と安堵、そしてアレスを救ってくれたことへの感謝であった。

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