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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 89

アレスはしぶしぶ怒りの矛を収めることにした。

「まったく・・・。ウルゥがヤバくてピリピリすんのはわかるが、もっと注意してくれよ・・・」
「わ、悪かったって!見たこともないモンスターに襲われた直後だったもんだから、つい・・・」
「見たこともないモンスター?」

その言葉にアレスは敏感に反応する。ウルゥの介抱をしていたエリアもだ。

「ああ・・・。やけにデカい植物型のモンスターでな。
 適当にあしらったらすぐに逃げてくれたんだが・・・。
 たぶんアイツがオレたちを迷わせている張本人じゃねえかな?」

マリーの言葉に、アレスはしばし黙考する。
俗に主と呼ばれるようなモンスターはとても強く、特殊能力を持っているものも多い。
仮に自分たちを迷わせている張本人でなくても、そいつを倒せば、統率を失ったモンスターたちは逃げ出すだろう。
アレスはこの状況を脱するためにも、そのモンスターを倒すことにした。

「マリー。そいつがどこに行ったかわかるか?」
「大体なら・・・。そいつ、殺るのか?」
「ああ。そいつを倒せばここから脱出できるかもしれん」
「わかった。それじゃあ案内するよ。エリア、悪いけどウルゥを連れて来てくれないか?
 またはぐれちまったら面倒だ」
「・・・ええ、わかったわ」

こうしてアレスたちはマリーたちを襲ったモンスターを探しに向かった。
しかしエリアは気になっていた。
アレスが敵を倒すといったときに一瞬浮かべた、あの笑みは何だったのだろうか?と。

――――

「あれか・・・」

大ボスと思われるモンスターは、狩人マリーの案内で意外と早く見つかった。
それは全身にツタを巻きつけた緑色の首なし巨人。
巨大化させた首なしミイラの包帯をツタに取り替えたようなモンスターだった。
アレスたちにはまるで気づいておらず、どこか行くところでもあるのか、のっそりした足取りで移動している。
あの様子だと体力と腕力が自慢のパワーファイターなのだろう。
ユラユラと意思でもあるかのように動いている触手が、懐に入られないようにするための武器と言ったところか。
アレスは見たこともないモンスターを観察しながら、そのステータスを予測する。

「確かにあの外見じゃあ、弓矢はあんまり効果がなさそうだな」
「ああ。やるなら攻撃魔法か、斧や剣での重い一撃しかないだろうな」

マリーの判断にアレスはうなずきながら、エリアが担いでいるウルゥに目をやった。

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