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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 88


ラムサが振り向く先にあるのは腐臭漂う、巨大アンデッドの残骸(死体とは言わない。とっくに死んでるから)。
ラムサはようやく悪臭が薄れたにもかかわらず、あそこに戻ることにずいぶんと悩んでいたが・・・。
放置しておけないことだけに、半泣きになりながら再び悪臭の発生源へと向かっていく。
冷静に考えてみれば、このモンスターにはいくつかおかしいところがあった。
1つ目はその巨大さ。誰かが意図的に作ったのならともかく、自然発生でこんな巨大な死体の塊ができるわけがない。
2つ目は緑色の触手。自分の臓物を武器にしていたのなら、その色は黒味がかったピンクか、赤黒くなっているはずだ。
なのに触手の色は緑で、しかも骨も筋肉もないのに手足のように動かしている。
ラムサーは自分が斬った切断面から、何かヒントを求めてのぞいてみる。

「・・・!コイツは・・・!」

すると意外にもあっさりと、数々の疑問を氷解させる『モノ』を発見することができた。
それはこの森を危険地帯に変えた、諸悪の根源、その片割れだったのだ。

――――

その頃。アレスたちは相変わらず脱出方法と仲間を求め、森の中をさまよっていた。

「や〜れやれ。歩けど歩けど出てくるのはゾンビと植物系のモンスターばかり。
 ヒントの1つや2つは転がってねえもんかね〜?」

すぐ近くに転がっているんですけどね。マヨイタケ。

「仕方ないわよ、アレスちゃん。だからこそ迷いの森なんて言われているわけだし・・・。
 ここは気長にじっくりと行きま・・・しょっ?」

エリアがアレスを励まそうとしたそのときだ。
突然アレスはエリアに迫って、胸の中に抱きしめた。
今までにない積極的な行動に、アレス大好きのエリアさんは大いにあわてる。

「ちょちょっ、アレスちゃんっ?
 そそそ、そんなにあわてなくても、私はいつでも準備OKで・・・っ!」
「・・・ちっ。いきなり仲間に矢ぁ撃ち込むたぁ、どういう了見だ、マリーッ!」
「へ?マリーちゃん・・・?」

驚いて後ろを見ると。そこには皮製のガントレット(籠手)に1本の矢が突き刺さっていた。
厚手のものなので貫通までには至らなかったようだが・・・。
下手をすれば死人が出かねない、危険な一撃だった。

「あ、アレスっ!?て、敵じゃなかったのか!?」

アレスの怒声にあわてて茂みから出てきたのはマリーとウルゥコンビ。
何やらウルゥは具合が悪そうにしている。

「す、すまねえアレスっ!お、オレてっきり魔物か何かだと思って・・・!」

それからマリーは申し訳なさそうにアレスたちを射掛けた理由は語り始めた。
何でもウルゥの具合が悪くなり、身動き取れなくなってところに偶然通りかかったアレスたちを敵だと思ってしまったらしい。
仲間を守るためとあってはアレスも強く前に出れない。

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